自作防音室の床を浮き床二重構造にしたお話 |床防音DIY

防音室の二重床防音

様々な防音対策を考えていく中で案外後回しにされがちなのが床の防音ではないでしょうか。

壁に比べると空気音が通りにくく優先順位は下がってしまうものの、いつかは床にもきちんとした防音をしてみたい。

今回は初代の防音室を自作した頃からずっと頭の片隅にあり続けたそんな思いを胸に、浮き床/二重床の製作に挑戦したお話です。

1.今回の床防音の目的

二重床自作の様子

今回取り組んだのは以前自作した0.8畳防音室の二重床化です。

0.8畳の小型防音室(ver.2)を自作したお話|予算6万5千円

主な目的は「ギターの練習音を階下に響かせない」こと。

床は音の進行方向やコンクリートの厚みなどから壁に比べると空気音が伝わりにくいため、これまで行っていたのはジョイントマットによる簡易的な防音のみでした。

ですが、今回は初代防音室の設置環境に比べて建物の床が音を通しやすいこと、防音室のサイズが小さく遮音性も高くなったことなどから、床からの音漏れが少し多めになっていることが予想されます。

そこで取り組むことにしたのが浮き床/二重床の製作です。

2.浮き床/二重床ってなんだ

二重床の構造

浮き床/二重床というのは日頃それほど耳にしない言葉ですが、こちらは簡単にいうと床面の下に空気層と制振構造のある二重構造の床のこと。
断熱にも非常に有効で、配線や空調を目的とする場合もあるそうです。

きちんとしたものは空気音の減衰はもちろん、固体音の伝達防止にも工夫が凝らされているようですが、その反面、ただ板を張っただけのものは返って固体音の遮音性が低下してしまうこともあるそうです。
つまり、構造的には必ずしも防音に有利というわけではないということですね。

また、作業は大掛かりなものになりやすくDIYとしてはなかなかハードルも高いです。

3.自作二重床の設計と材料

今回作った二重床の構造と材料を簡単にご紹介します。

3-1 構造と狙い

自作した二重床の構造

今回はもともとあったジョイントマットを簡易の制振材扱いとして、その上に直接根太(ねだ/床板を支える土台)を設置しました。

また用途的に床板が空気音によって共鳴・振動することはなるべく避けたかったので、根太と床の間にはミュートとしてNRゴムと呼ばれるゴム素材のシートを噛ませています。

今回の目的はギターの防音なので、制振構造や固体音の増減よりは床の二重化による「空気音の遮音性強化」に焦点を当てています。
本格的に足音、打音、キック音、振動音などの固体音軽減を目指す場合はもう少ししっかりとした制振構造やまた違った遮音方法を考えることをおすすめします。

3-2 使用材料

二重床の材料

・床板:12mm針葉樹合板1枚
・根太:2×4材2本
・ミュート:NRゴムロール2巻
・仕上げ:クッションフロア
・その他:ネジ、両面テープ

今回使用したのはホームセンターで購入した上の材料達です。
ネジとテープは家にあったもので、費用は全て合わせて4,500~5,000円ほどでした。

3-3 使用工具

二重床製作に使った工具

今回木材のカットはホームセンターにお任せしたので、使った工具は長尺直定規、メジャー、カッター、ハサミ、ドライバーのみです。(イレギュラー対応で少しだけ彫刻刀も使いました。)
工具は全て家にあったものですが、ピース数の少ない工具セットなどでも比較的簡単に揃えられると思います。

4.二重床作りの作業工程

※上の動画はクリックするまで読み込まれません。データ容量などを気にしなくてもいい環境でご覧ください。YouTubeサイトでご覧になられる場合はこちらから。

以下では作業の流れを写真とともにご紹介します。
詳しい動きや分かりにくい部分などは良ければ動画と合わせてご確認ください。

4-1 材料調達

ホームセンターの木材カット風景

まずはホームセンターで必要素材の買い出しをします。
今回は木材のカットもお店で受付があったのでお願いしました。料金は1カット15~45円ほどなので、DIYをされる方には是非お勧めしたいサービスです。

4-2 サイズ確認と微修正

床板のサイズ調整

買ってきた木材を防音室内に仮置きしてみたところ、なんと僅かに枠からはみ出してハマりません。
どうやら防音室を支える長方形の枠がほんの少し歪んでいたようです。身近にある工具を使ってどうにか削りましたが、木材は少し余裕を見て小さ目に頼んでおきたいですね。

4-3 ネジ穴開け

ハンドドリル

木材がどうにか使える状態にできたので、次は床板に固定用のネジ穴を開けていきます。
板の四隅と真ん中、計6箇所ずつに穴を開けました。

4-4 NRゴムのカット

NRゴムロールのカット

買ってきたNRゴムのサイズを切り揃えていきます。
わざわざ大きなサイズで買って切り分けているのはちょっとした節約です。

4-5 床板取り付け

床板の取り付けと固定

根太の上にゴムシートを敷いて、位置を調整しながら床板を取り付けていきます。
軋みや段差などを少し心配していましたが、運よく上手く仕上がってくれたようです。

4-6 クッションフロア仕上げ

クッションフロアのカットと貼り付け

最後は床板の上にクッションフロアを敷いていきます。
この作業は防音とは直接は関係ないのですが、床の見た目や質感、快適さなどがとてもよくなるのでお勧めです。
カットは鉄ベラの代わりに直定規でシートを押さえながら行い、貼り付けにはごく一般的な両面テープ(ニチバン製/100円ほど)を使用しました。

4-7 防音効果

完成した二重床の防音効果についてですが、今回はハンディレコーダーや騒音計を使った具体的な計測はできていないので体感的なお話になります。

まず、床を通して防音室の中に入ってくるご近所さんからの固体音はかなり小さくなりました。そのことから、元々伝達能力の高くない空気音は大部分が遮断できたことが予想されます。

また、板自体の持つ吸音能力のおかげで、低音の音響がとても柔らかく良くなりました。これはあまり期待はしていなかったことだったので嬉しい誤算です。

5.まとめ

今回は自作防音室の改良として二重床の製作を行いました。

フローリングの二重床は空気音に対する防音効果だけでなく清潔感と掃除のしやすさなども優れていて、湿気の多い夏にはとても使用感が良いです。空気層と板による断熱効果で冬の底冷えも軽減できると予想されるため、個人的にとても満足のいく製作となりました。

素人DIYレベルとはいえこれで自作防音室の全方位の防音が完了したので、前よりも少しだけ胸を張って「防音室」と呼べるような気がします。

自作防音室には今後も色々な点で改良を加えていければと思っていますので、良ければお楽しみに。

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