いよいよ念願のギターを買ってきたけれど、まずはドレミってどうやって弾くんだろう。
これって本当に誰もが思うことで、ギターのドレミの位置はピアノなどと比べると分かりにくいものです。
中には「ギター歴1年くらいでコードも弾けるけれどドレミの位置は分からない」なんていう方もいるくらい。
今回は基本的なドレミファソラシドの位置の確認と、簡単な曲の練習をしてみましょう。
1.ギターのドレミ

ギターのドレミの位置を簡単に表すと上の写真のようになります。
写真の下側が太い弦(6弦)、上側が細い弦(1弦)ですね。
これはちょうどギターを手に持って上から覗きこんだ時と同じ見え方です。
そして、それぞれ音の名前が書かれたところを指で押さえて弦を弾くとその音がなります。
ですがよく見ると「レ、ソ、シ」は弦の1番左端に音が書いてありますよね。
実はこれは弦の外を頑張って押さえるという意味ではなくて、「何も押さえずに弦を弾いて」という意味。
つまり、「レ、ソ、シ」は音の名前が書かれた弦をただそのまま弾けば良いということです。

少し複雑に見えるかもしれませんが、まずは「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」とゆっくり順番に鳴らしてみましょう。
なんだか音が合わないのですが?(チューニング)

言われた場所を押さえてみたけどなんだか音が外れている、ドレミっぽくない、という場合はギターのチューニングが狂ってしまっているかもしれません。
ギター自体の音がズレていたのではせっかくの練習も台無しです。一度「チューナー」という道具を使って音を確認してみましょう。
チューナーの表示は6弦(太い弦)から順にE、A、D、G、B、EになっていればOK。
初めてでよく分からない方は「ギターのチューニング方法 |音を合わせよう」という記事を読んでみてくださいね。
指板とフレットと弦(パーツの名前)

今実際に触ってもらったドレミの位置には実はしっかりとした名前があります。
例えば、「低いド」の位置をギターの言葉で表すと「5弦の3フレット」となり、これは簡単に言えば音の住所のようなもの。
ギターの表面にあって弦を押し付ける部分を「指板(しばん)」と呼び、細い金属(フレット)で区切られた指板を左から順に1フレット、2フレット、3フレット、、と数えます。
弦は細い方が1弦、太い方が6弦でしたね。
つまり、「5弦の3フレット」というのは「細い方から5本目の弦で左から3つ目の区切り」を表します。
何も押さえないことを0フレットと呼ぶこともあります。
どの指で押さえるの?(運指)

ギターでどの指を使って弦を押さえるか、どんな風に指を使うかを「運指(うんし)」と呼びます。
ギターの場合はリコーダーなどに比べると自由な運指で良いのですが、基本は「縦一列の音を指一本で担当」します。
例えば今回の場合1フレットは人差し指、2フレットは中指、3フレットは薬指、といった具合です。
理由は簡単で、こうしておくことで色々なパターンの演奏に対応しやすいから。
ただ運指のことは少し慣れてから考えても十分なので、今はあまり深く考えず遊んでみてください。
筆者が初めてドレミを覚えたころはギターは膝の上に琴のように寝かせ、どのフレットも人差し指で押さえていたくらいです。
2.ドレミの練習曲
それでは、次はちょっとした練習曲でもう少しドレミに慣れてみましょう。
とは言っても有名で簡単な歌ばかりなんですが、ギターのはじめの第一歩だと思って良ければ弾いてみてください。
もちろん、知っている曲でドレミが分かるものがあればその曲を弾いてもらって大丈夫ですよ。
①きらきら星

きらきら星は「きらきらひかる〜」の歌い出しで有名な童謡ですね。
実は日本で定番のこの曲はフランスで生まれた曲が英語で替え歌にされて、さらにそれが和訳されたもの。
原曲の歌詞は星ではなく女の子の恋心を歌っているそうなので、気になる方はまた調べてみてくださいね。
②ドレミの歌

ドレミの歌は「ドはドーナツのド〜」の歌い出しで誰もが耳にしたことのある童謡ですね。
こちらも元々は海外の曲で「サウンド・オブ・ミュージック」という世界的にも有名なミュージカルに出てくる歌の1つです。
音楽の練習にもとても向いている曲なので、「退屈だ、カッコ悪い」なんて言わずにぜひ弾いてみてください。
3.ギターのドレミは3種類
さて、実はギターでのドレミの弾き方というのは1つではなくていくつかのパターンがあります。
ピアノなどの楽器ではドレミの音が出せる鍵盤は1つずつしかないので当然その弾き方も1つに限定されるんですが、ギターの場合は6本の弦の中に「同じ音が出せる部分」があるのでこんなことも起こるんですね。
急いで覚える必要もないので、「そんなものもあるんだな」程度にさらっと見てみてください。
もちろん、興味があれば実際に弾いて遊んでみてくださいね。
3-1 ピアノ風のドレミ

まずは弦1本だけでドレミファソラシドを弾いてしまうという弾き方。
「なんだ、こんなに簡単ならこっちを先に教えてよ」と思う方もいると思いますが、実はこれは左手をたくさん動かすので長い目で見ると簡単とは言えず、この先の色々な練習にもほとんど繋がらない弾き方なんです。
ただもちろん知っていて損はないですし、よく見るとなんとピアノと全く同じ音の並び方をしています。
ピアノでは黒い鍵盤を「黒鍵」と呼びますが、よければ黒鍵も1つの音だと思ってギターとピアノのドレミをよーく見比べてみてくださいね。
3-2 開放弦を使うドレミ

これはこの記事で一番はじめに紹介したドレミの弾き方ですね。
開放弦というのは「何も押さえずに鳴らす弦」のことなんですが、これはオーソドックスな上に「チューニング」や今後登場する「コード」の練習にも関係のある大切なものです。
初心者に優しく、色々な説明もしやすいので今回はこの弾き方をメインに選びました。
3-3 開放弦なしのドレミ

開放弦を使ったドレミと並んでオーソドックスなドレミの弾き方がこの「開放弦を一切使わないドレミ」です。
この弾き方はどちらかと言うとエレキギター、とくに単音を使った「ギターソロ」と関わりが深く、これも余裕があればぜひ弾いてみてほしいドレミの弾き方です。
開放弦を使わない弾き方には面白い特徴があるので、良ければ試しに「全ての音を1フレット右にずらして」弾いてみてください。
一体何が起こったでしょうか。
4.もう少し広いドレミ
これは半分おまけのようなものですが、最後にもう少し範囲を広げたドレミの弾き方もみておきましょう。
ドレミファソラシド1セット分(これを1オクターブと呼びます)だけでは弾ける曲も限られてしまいますからね。
参考としてどうぞ。
①開放弦あり

はじめに覚えることをおすすめしたいドレミの並び。
ここまで覚えればチューニングや他の練習でもしばらくは困りません。
②開放弦なし

こちらを覚える場合も6本の開放弦の音(低い方からミ、ラ、レ、ソ、シ、ミ)だけは覚えておきましょう。
※チューニングに必須のため
③ドレミ一覧

なんだか見るだけでお腹いっぱいになりそうな写真ですね。
これは1〜15フレットまでの「全てのドレミ」の位置を書き込んだものですが、丸暗記するのはかなり大変です。
この図は困った時に調べるくらいにしておいて、今は飛ばしてしまうのがいいでしょう。
5.ドレミは全部覚えるしかないの?
今回登場した色々なパターンのドレミはいずれ全部覚えないといけないのかと不安になった方もいるかもしれませんが、全くその必要はありません。
先ほど紹介した通り「開放弦の音と最低限のドレミ」さえ覚えておけばちょっとやそっとでは困りませんし、それ以上は少しマニアックな世界になっていきます。
暗記の苦手な筆者から初心者の方におすすめしたいのは「とにかく6本の開放弦の音とその周りのドレミだけ一緒に覚えてしまう」こと。
チューニングが出来てドレミを少し弾ければ初めてなら十分すぎるくらいです。
さらに言うと、実は開放弦の音さえ分かれば全ての音の位置は自分で探すことが出来るので、途中からはソロやアドリブ以外では覚える必要も減っていきます。
音の探し方については折りたたみで書いておきますので良ければぜひ読んでみてください。
暗記を楽にする理論と音の探し方

音探しをするときは「全ての音は1フレットおきに並んでいる」、『ただし「ミとファ」「シとド」だけは隣り合わせだ』ということを覚えておきましょう。
例えば5弦の3フレットがドならば、そこから1フレット飛ばして右に進むとレ、さらにレから1フレット飛ばして右に進むとミだということ。
そして「ミとファ」「シとド」だけは間が空かずに隣同士のフレットです。
これには実は音楽そのもののルールが関係していて、例えばピアノでも「ミとファ」「シとド」の間にだけは黒鍵がなく、他の音の間には必ず黒鍵があります。
これはこれで「音楽理論」と呼ばれる分野の面白い話なんですが、今はひとまず丸っと覚えてしまうのが良いでしょう。
この仕組みを使えば開放弦の音1つからその弦の全ての音が分かるということなので、つまり、覚える音は最低6つだけで済みます。
きちっとした仕組みについてはまたいずれ一緒に勉強しましょう。
6.コードって何?どうするの?
さて、ギターといえば伴奏をジャカジャカと鳴らしながら弾き語りをする、バンド演奏をするというイメージの方も多いですよね。
歌やメロディの伴奏をするときにはいくつかの音を同時に鳴らして「コード(和音)」と呼ばれる音を奏でます。
なんだかいよいよ話がギターっぽくなってきましたね。
なんとなく難しそうな印象でもあるコードですが、練習ですることは実は今回のドレミと同じ。
まずはコードの押さえ方を知って、次に実際に音を鳴らしてみながら少しずつ慣れていきます。
いくつかの音を同時に鳴らさないといけないのでドレミよりもコツと練習が必要ですが、簡単なものからゆっくりと練習していきましょう。
次のステップ