ギターを始めたはいいけどそもそも持ち方は?
1度は自分でギターを構えてみたけどなんだか上手くいかない、しっくりこないというのは実は本当によくある悩みなんです。
田村自身は当時なにも知らずになんとなく練習してしまいましたが、今になって昔の自分に教えたいことは山のようにあります。
というのも、ギターの持ち方についての基本的なことを知っておくと上達の早さも大きく変わってくるからです。
今回は音を出しやすいギターの持ち方や、逆に良くない持ち方について1から丁寧にお話ししていきますね。
よければ実際にギターを抱えてご覧ください。
※記事内では見た目が分かりやすいのでアコギを使っていますが、大切なポイントはエレキも共通です。
1.ギターの正しい持ち方
まず初めに1つだけ伝えさせてください。
ギターの持ち方は皆さんが「これが良い」と思ったものが正解で正しいです。
例えば、皆さんはこの写真を見てどう思うでしょうか。
恐らく「変な持ち方」と感じた方もいますよね。
ですが、実は世界にはこんな風にギターを膝の上に寝かせてとても綺麗な演奏をするプロの方もいます。
そして初心者で何も知らないころの田村がワクワクしながら初めてドレミを弾いてみたのもこのスタイルでした。
つまりギターの持ち方は自分が楽しめて、したいことが出来ればそれで良いんです。
ここから田村は「こうすると弾きやすいよ」というポイントをたくさんお話しますが、何よりも大切なのは「皆さん自身が今弾きやすい」こと。
ギターの持ち方は練習の中で少しずつ見つけていけばいいので、焦らずのんびり読んでくださいね。
2.座ったときの持ち方
さて、まず初めにイスに座ってギターを弾くときの持ち方を確認していきましょう。
イスに座るとギターが安定しやすいので変なクセも付きにくく、1番自然に練習に入れます。
初心者の方はまずこのスタイルから少しずつギターに慣れていきましょう。
ギターを持つときの基本は足を楽に開いて「右足の上」にギターを構えること。
このときギターを体の真正面に持つ必要はないので、写真のように少し斜めくらいがいいでしょう。
実は体自体も真正面には向けずに少しだけ左に向けるようにするのがポイントです。
大切な部分をもう少し詳しく見ていきましょう。
2-1 ギターは少し斜めに
ギターを始めたばかりのころは「ちゃんとした持ち方をしないと」と思うあまり、ギターもきっちり正面に向けてしまう方が多いです。
ところが実は真正面にギターを構えるというのは初心者の方が「ギターが上手く持てない」「ぎこちない」と感じてしまう原因でもあります。
例えば試しにギターも体もぴったり真正面に構えてみましょう。
やってみるとよく分かりますが、ギターの厚みで腕が浮いてしまいますよね。
これを無理にこのまま弾こうとすると、どうしても肘先だけを動かすようなぎこちない演奏になってしまいます。
では次に足を開いてギターを斜めに構えてみてください。
どうでしょうか?
こうするとギターが体の横側にくるので、さっきより自然に腕をおろして構えることが出来ますよね。
これはギターをしばらく弾いている方でも無意識なことが多いですが、本当に大切なポイントです。
田村自身もギターを意識して斜めに構えたのはずっと後のことでした。
2-2 ギターを持つ姿勢
ギターを長く弾いているとたまに「背筋はちゃんと伸ばして」なんてアドバイスを聞きますが、あまり必要ありません。
というのも、背中をピンと伸ばすと肩や腕が動かしにくくなるからです。
実際に試してもらうと分かりますが、背筋を伸ばす意識をすると肩にも力が入ってしまったり、体を柔軟に動かしにくくなったりします。
これは初心者のころは大きな違いにはなりませんが後々「ギターの表現力をもっと高めたい」と思ったとき、自分では気づきにくいつまずきポイントになってしまうかもしれません。
またいずれお話しますが、「無意識の力み」「不要な力み」というのはギターの上達にとってかなり厄介なものなんです。
背中の力は抜いて軽くギターを包むように楽に曲がった状態にしておきましょう。
「曲げる」というより「力を抜く」の方が近いですね。
こうするとギターが安定しますし、腕も自然に振って演奏できます。
ただし、こんな風にギターによりかかるように体重を預けるのはあまり良くないので要注意です。
とても楽な姿勢なんですがギターの響きを殺してしまいますし、癖になると立って弾くのがとても難しくなります。
田村も初心者のころにずっとこの姿勢で練習を続けてしまって後でかなり苦労しました。
弾き語りなどをする場合は発声の面でも背中が楽に伸びている方がいいので、早めに習慣にしておきましょう。
背筋をシャンと伸ばす必要はないですが、猫背にはならないように気をつけてくださいね。
+α |体を少し左に向けよう
※これはやや中級者・上級者の方向けの内容です。
今後ギターを練習していくと、ハイフレットで難しいコードを押さえたり、座っていて「もっと自由に腕が振りたい」と思う機会もあると思います。
そんなときは少しだけ右肩を前に出して、左肩を後ろに引いてギターを弾いてみてください。
つまり体を少し左に向けるイメージです。
こうすることで左手を自由に動かせる範囲が広がって、右手もギターに乗せずに自然に振ることができるようになります。
どちらかと言うと弾き語りというよりギタリストの方におすすめしたい持ち方ですね。
初心者のころは少し難しいですし、これはまた演奏で困ったときに「そういえば」と思い出してもらえれば十分ですよ。
おまけ |足を組む・あぐら・クラシックギターなど
これはおまけですが、ギターを持つときに足を組むかどうかや地べたに座ったときの持ち方などなどについて軽く触れておきますね。
内容は折りたたんでおくのでご興味に合わせてお読みください。(タップで開きます)
足を組むこととスペインのギター
実は足を組んだ状態でギターを弾くのが好きだという人は案外多いです。
基本的にギターで足を組む必要はないんですが、組んで悪いこともありません。
強いて言うなら「イスの高さに左右されにくい」持ち方なので、それは足を組むメリットですね。
イスが高すぎる場合には足を組むと体とギターが安定やすいです。
初めは足を組まずに練習するのがいい気がしますが、慣れてきたら自由にしましょう。
田村も演奏のためというよりは「寝返りを打つ」ような感覚でよく足を組んだり戻したりします。
ちなみに、同じ「足を組む」でもきちんとメリットのあるスタイルもあるので軽く紹介しておきますね。
これは少し変わったスタイルですが、スペインなどのラテン系の方はよくこんな足の組み方でギターを弾いています。
昔田村も気になって試してみたんですが、これが慣れるとかなり弾きやすいですね。
感覚的には「足台のいらないクラシックギタースタイル」のようなものとでも言えばいいでしょうか。
ギターの持ち方としての本質はかなりクラシックギターに近いものを感じます。
ピック弾き、指弾きともにやりやすいのでギターに慣れてきたら良ければ試してみてくださいね。
あぐらでの持ち方
地べたに座ってギターを弾くときに多くの方がするのが「あぐら」です。
あぐらというのは実は自然な形で楽にギターを構えやすい姿勢でもあります。
ギターがとても安定する上に楽なので、田村もイスの上ですらあぐらを組むことがあるくらいです。
ギターの持ち方の基本はイスに座るときと全く同じで、足を開くこと、ギターを斜めに構えること、体を少し左に向けることの3つ。
ですが、あぐらの場合は足はすでに開いていますし、ギターも足の上に置けば自然に体の横(斜め)に構えられます。
つまりあまり難しく考えなくても「良い持ち方」が出来てしまうんですね。
ただ、あぐらは楽にギターを持ててしまう分、体の使い方もだらっとしたものになってしまいがちです。
背筋をピンと伸ばす必要はないですが、猫背になってギターに体重を乗せてしまわないように気をつけましょう。
正座での持ち方
正座はなんだか堅苦しくてギターを持ちにくそうですよね。
ただ、実際には背筋が楽に伸びるので「立って弾いているときと同じような感覚でギターを弾ける」姿勢でもあります。
正座の場合、足をそれほど開くことが出来ないのでギターを斜めに持つと少しギターがグラグラしやすくなります。
持っている方は立って弾くときに使う「ストラップ」という肩ひもを使うのもいいでしょう。
※後で紹介します。
ギターがやや不安定になるので初心者のうちは少し難しいと思いますが、よければお試しで持ってみてください。
猫背の心配はあまりないと思いますが、少しだけ体を左に向けることもお忘れなく。
クラシックギターの持ち方
ここまで紹介してきたギターの持ち方とはかなり違っていて独特なのがクラシックギターの持ち方です。
クラシックギターではこんな風に「足台」を用意して、そこに乗せた「左足」の上にギターを構えます。
最近は左足の上に「ギター用の台」を置いて、足は地面に下ろしている人もよく見ますね。
クラシックギターのこの持ち方はおそらく「指弾き・爪弾き」を最大限やりやすくするために考案されたものなのでしょう。
実際、指弾きをする上では1番自由に指も手も動かせます。
そして、ギターのネックが起きているので左手を捻らないでもコードが抑えられるのも大きな特徴ですね。
クラシックギターには普通より難しめのコードがたくさん出てくるので、田村も「この持ち方でしか押さえられない」コードがまだいくつかあります。
面白い持ち方なのでエレキやアコギの方も良ければいつか試してみてください。
3.立って弾くときの持ち方
さて、最後は立ってギターを弾くときのギターの持ち方です。
弾き語りやバンドライブなど、立ってギターを弾いている姿ってかっこいいですよね。
立った状態でギターを持つときには「ストラップ」と呼ばれる肩ひもを使ってギターを肩にかけます。
初心者のうちはストラップを短くし、ギターを高めにしておくと弾きやすいでしょう。
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※正座編(おまけ)でお話ししたように、座っていてもギターが安定しないときはこの「ストラップ」を補助に使ってもいいです。
立って弾くときの基本は楽に足を開いてギターはやや斜めに構えること。
大切なポイントは椅子に座るのと変わりません。
ですが、実はこの「立って弾く」というのは初めなかなか難易度が高いです。
そして独特のコツやポイントもたくさんあるので、まずしばらくは座ってギター自体に慣れてから挑戦するのが良いかもしれません。
ギターを立って弾く方法についてはこれから別の記事でもう少し分かりやすく説明する予定なので是非お楽しみに。
ギターを持った後どうすればいいのかもまた少しずつ一緒に見ていきましょう。