これからギターを始めようというときに迷うこともあるのがアコギとエレキのどちらを選ぶかということですよね。
もちろん憧れのアーティストさんや理想のプレイスタイルがあればそれに合わせれば良いんですが、まずはアコギとエレキの違いから知っていきたいという方も多いと思います。
今回はアコギとエレキで出来ること、出来ないこと、難易度の違い、弾いていて楽しいこと、困ったことなど、実際の経験をベースに1つ1つ丁寧に説明していきますね。
1.アコギとエレキは全く別の楽器

田村はアコギもエレキも色々な演奏で使用していますが、初めにこれだけは言わせてください。
アコースティックギターとエレキギターは楽器として全くの別物です。
もちろんどちらも「ギター」という楽器であることに変わりありません。
なので基本的な音の出し方やコードの押さえ方などは同じです。
ただ、ならばエレキの代用をアコギで出来るか、アコギの代用をエレキでできるかと言われれば絶対にできません。
例えば田村自身、バンドでエレキを弾いている途中に「この一瞬だけアコギに持ち替えたい」と思うことは多々ありました。
そしてそのとき思いついたのは「エレキでアコギの音を出せないか」というもの。

実はエレキギターには「アコギのような音を作る」ための専用の道具がきちんと存在します。
田村も簡単なものは持っていたので真っ先にそれを試しました。
ですが頑張って調整して出来上がったのは「なんとなくアコギっぽい?」程度のエレキらしさの残る音でした。
つまり、音を似せることは出来ても限界はあるということなんですね。
そして何よりも、ギターを弾く感覚や楽しみがアコギとエレキでは全く違っています。
今後おそらくエレキでのアコギの音の再現度は上がっていきますが、誰よりも弾いている本人が満足できないことも多いはず。
田村もギターを続けるほどに「こういう音楽にはこっちを使いたいな」という好みが強くなっていきました。
まずはアコギとエレキは別の楽器で、魅力を両方あわせ持つことは基本的に出来ないと思っておくのが良いでしょう。
2.エレキとアコギは何が違うか
さて、エレキギターとアコギで1番違うのは「どうやって音を出すために作られた楽器なのか」ということです。
簡単に言えばエレキギターは「アンプ」と呼ばれる専用のスピーカーから音を出す前提で作られていて、逆にアコギは何も使わずに「生音」で音を出すために作られています。
これは言い換えると「電気が必要かどうか」だとも言えますね。

例えばアコギであればギター1本持って公園にいき、そのまま友達と歌を歌うことだって出来るということ。
田村もよくアコギを持って河川敷にいきますが、何も考えずに素直な音を楽しめるアコギが本当に大好きです。

逆に大きな会場で大きな音をスピーカーから出したいときにはエレキギターの出番ですね。
ギターの音に色々な効果を追加して、アコースティックでは絶対に作れない音が出せるのもエレキの大きな魅力だと言えます。
とくに「歪んだ音」のエレキで奏でるど迫力のバンド演奏にはアコギでは決して出せない楽しさやかっこよさがありますよ。
※アコギの中にはスピーカーを使える「エレアコ」と呼ばれるものもあるので覚えておきましょう。
ライブをする方のアコギは基本的にエレアコが主役になってきます。

アコギ(とエレアコ)の大きな特徴として「ボディが分厚く、真ん中に穴が空いていること」があります。
これはボディの中でしっかり音を響かせて大きな音を出すための工夫です。

エレキギターは弦の音をスピーカーで大きくするのでボディの厚みや空洞はほとんどなく、生音もかなり小さいです。
表面には電気的に音を調整するための装置がたくさんついています。
例外的なギターもたくさんありますが、今はアコギは生音の演奏を大切にしたギター、エレキはアンプ・スピーカーでの演奏を大切にしたギターだと思ってもらえればOKです。
3.アコギとエレキで難易度は変わらない
実はギターを長く弾いていると「ギターはアコギの方が難しい、エレキの方が簡単だ」という声をよく聞きます。
田村自身も一時期は実際にそうだと思っていました。
エレキギターがアコギよりも簡単だと感じやすい理由は「弦が柔らかく押さえやすい」から。
実はアコギとエレキでは使われている弦の種類や太さが違います。
その結果、アコギとエレキでは「弦を押さえるために必要な力」も大きく違うんですね。
ギターを始めたばかりのころは指の力も弱く、指先も柔らかいので押さえるのが硬いアコギは少し音を出すのに苦戦するものです。
ただ、これだけははっきり言えますが最終的にどちらが簡単ということは絶対にありません。
田村はアコギもエレキも色々な曲で使いますが、どちらも全く別の難しさや魅力を持っています。
そもそもアコギとエレキでは出来る音楽が全く違ってくるので、なるべく自分のやってみたいことに近い方のギターを選ぶのがいいと思いますよ。
4.アコギの楽しいところ、困ったこと
田村の思うアコギの楽しさはなんと言っても手軽に弾けること、そして直感的に音を返してくれることです。
ギターの音が自分の力加減や弾き方によって自由に変えていけるというのは、アコギの難しいところでもあり、最高に楽しい部分でもあると思います。
一切ごまかしが効かないのはシビアですが、ギターと1対1で向かい合っている時間が田村は大好きです。
とくに歌を歌う人には、ぜひアコギの弾き語りをしてみて欲しいです。
田村は歌に関しては最近始めたばかりなんですが、アコギに合わせて歌うのは本当に楽しいですよ。
ただ実際のアコギに関してはとにかく「音が大きい」という悩みがつきものです。
「近所の迷惑にならないようにどうやって練習しよう?」という問題は本当に多くの方が抱えることになると思います。
これについては田村自身も悩み、色々な対策を考えたものです。
アコギの練習と音についてはこの「たむすぎたー」でもいくつか記事にしているので、また困ったときにはいつでも見にきてください。
5.エレキの楽しいところ、困ったこと
田村の思うエレキギターの楽しさはやはり大きくて迫力のある音が出せること、そして音色がとても多彩なところです。

エレキでは「アンプ」や「エフェクター」と呼ばれる機械も使いながら音を作っていく必要があるので、初めは分からないことだらけです。
しかしバンドでしっかり合わせて音を出すのは本当に楽しいですよ。
実は田村は電気系統は少し苦手なのでそれほど凝った音作りはしません。
逆に「音を変える機材に工夫を凝らし、音を作り込むのが楽しくて大好きだ」という友達もたくさんいます。
アコギと違ってエレキギターの音の作り方は本当に人によって個性豊かなんです。
簡単なエフェクターを1つ使うだけで、アコギでは逆立ちしても出せなかった音やニュアンスで音楽が出来るのはやはり良いですね。
そして何よりも、そうして出てくる音には「エレキギターにしかない」確かな魅力があります。
エレキギターを始めてみて大変だったことはとにかく色々な道具があり、その使い方も多彩なこと。
そして少しギターに慣れたころからの1年くらいは本当にすぐに弦が切れてしまったことです。
「アンプやエフェクターを使った音作り」はエレキでは避けられないので少しずつ覚えていきましょう。
またエレキギターの弦はとても細いのでアコギと比べると「弦切れ」で悩む方が多いです。
練習で弦が切れる理由や対策についても記事を書いていますので、もし悩むことがあればぜひ読んでみてください。