ギターのフレットが錆びてしまって磨きたいけど、クロスだけじゃうまく錆びを落とせない…
知らない間に錆びてしまうフレットやペグなどの金属パーツを綺麗に磨く方法って意外と分かりませんよね。
とくにフレットの錆びはギターの音色や弾き心地、弦の寿命にまで関係する大きな問題です。
今回はちょっとした道具を使いながら、フレットの錆びを落としてピカピカに磨く方法をご紹介します。
また記事後半ではついでにペグやブリッジなどの金属パーツもきれいに磨いていきましょう。
1.フレットの錆びはどれくらい綺麗になるの?

この写真は記事の冒頭であげた写真のギターを磨き終わった様子です。
どうでしょう、拡大すると完璧とまでは言えませんが中々ピカピカになっていますよね。
ずっとケースの中で眠っているうちに節々が錆びてしまったギターも、フレットと金属パーツを磨けば見違えるように綺麗になります。
田村は少し妥協してしまっていますが、丁寧に磨けば本当に新品のようなピカピカなフレットを取り戻すことだって出来るのでぜひ一緒に掃除してみましょう。
今回はフレットを磨く基本的な手順のほかに、「乾拭き、水、オイル、フレット磨き用クロス、耐水ペーパー」の順にレベルを上げながら磨いていく様子もおまけとして紹介しますので、自分のギターに合った磨き上げの方法を選んで下さいね。
2.フレットの錆びは2種類
フレットに青緑っぽい汚れが付いていると直感的に「フレットが錆びている」と思いますよね。
しかし実はフレット上で錆びのように見える汚れには実は2つのタイプがあります。
まずはその違いを簡単に確認しておきましょう。
2-1 錆びのようなただの汚れ

拡大しないと見えずらいかもしれませんが、まずよくあるのが写真のような「明るい青緑色」の錆び。
このタイプの汚れは実は錆びというよりもただ手垢や汚れが固まっただけの場合も多く、専用の道具がなくてもクロスと少しのオイル(または水)だけで綺麗に落とせることも多いです。
※この汚れの下が赤く錆びてしまっていることもあります。
2-2 落としにくい金属の錆び

次に、厄介なのがこの写真に映っているような「暗い緑色〜茶色」の錆び。
これは汚れとして完全にフレットにくっついてしまっていたり、本当にフレット自体が錆びてしまったものなので少しクロスで拭いたくらいでは絶対に落ちません。
これについてはきちんとフレット(金属)磨きや耐水ペーパーを使って「磨く」必要が出てきます。
3.フレットを磨く道具
すでにご紹介した通り、これから書く道具は全て必要というわけではなく「錆びが落ちなければ」順に研磨力の強い道具を試すのがいいと思います。
どんな道具が必要かはここまでの内容や、この後の作業編も参考にしつつ判断してみてくださいね。
3-1 オイル

まずは「ギターメンテナンスの基本道具」とも言えるオイルですね。
今回のフレット磨きでもフレットの汚れや青緑の錆びを落とし、フレットを磨く準備を整えるために使います。
後でも紹介しますが、実は錆び(明るい青緑色のものに限る)を落とす効果だけで見ればただの水とそれほど洗浄力は変わりません。
ただ、オイルは水に比べるとギターの木材や接合部に優しいことと、ボディ自体を保湿して乾燥から守ったり、ベタベタ系の汚れをしっかり落とす効果もあるので、余裕があれば普段のメンテナンス用に小さな瓶を一本持っておくといいですよ。
お値段は楽器屋さんで1000円ほど。
※ギターのメンテナンス界ではこのオレンジオイルと並んでFERNANDESのレモンオイルも定番で、共に根強い人気があります。
3-2 フレット磨き用クロス・研磨剤

フレットの頑固な錆びを落としてピカピカに磨くためには「必需品」だと言えるのがフレット磨き用のクロスです。
楽器屋さんで売られているフレット磨き用の研磨剤には「拭くだけの布タイプ」と「布に染み込ませる液体タイプ」がありますが、液体タイプは扱いがやや難しくそれ専用にもう一枚クロスも必要なので布タイプがおすすめです。
値段はどちらもお店で1000円前後です。
※もしもすでに貴金属磨きをお持ちの場合はそれで十分ですよ。
3-3 2000番の紙やすり(耐水ペーパー)

フレットの錆びを手早く落としたいときに知っておいて欲しいのが「紙やすり」です。
紙やすりや耐水ペーパーと聞くと「そんなの使って大丈夫?」と思ってしまいますが、紙やすりには目の細かさによって「番手」という数字が振られていて、中でも2000番のものはフレットのすり合わせなどでも仕上げ用に使われるとてもきめ細かいものなんです。
フレットに傷がついたり削れすぎたりする心配はほとんどないので安心してください。
田村のようにフレットの錆びがひどかった場合には磨き用クロスだけではかなり時間がかかり大変ですし、他の金属パーツも磨けるので1枚持っておくと錆び系のメンテナンスで重宝します。
お値段はホームセンターで100円弱。
※耐水ペーパーの通販は探した限りではセット販売ばかりで「1枚もの」はあっても高いです。ホームセンターや文房具屋さんがお近くにあれば安く手に入るのでぜひ足を運んでみてください。
3-4 あると便利で楽に磨ける道具
ここで紹介する2つの道具は無くても全く問題ありませんが、あるとフレットを磨く作業や後の掃除がかなり楽になるので良かったら参考にしてください。
硬いスポンジ

ホームセンターなどで売られている硬いスポンジを1つ用意しておくとフレット磨き用クロスや耐水ペーパーでの磨き上げがとても楽で早いです。
持ちやすい大きさにきったスポンジにクロスや紙やすりを巻きつけて使います。
木のブロックの表面にダンボールを貼り付けるなど、適度な硬さのものであれば別のものでも代用できますよ。
田村が買ったスポンジは150円ほどでした。
※スポンジについては通販では質感が分からないので紹介できません。ヤスリ専用のスポンジなどもありますが値が張るのでホームセンターが無ければダンボールの塊などで代用してしまいましょう。
マスキングテープ

マスキングテープは指板を傷から守るために使われる保護テープです。
フレット磨き用クロス・2000番の耐水ペーパーはどちらも指板に大きな影響を与えるものではないですが、とくに耐水ペーパーを使う際にはしっかりとマスキングしておくことをおすすめします。
マスキングをしておくとフレット磨きで出る鉄粉が指板にくっつくのを防ぐこともできるので、錆び落とし後の掃除も楽ですよ。
マスキングの際は1フレットの幅の半分より少しだけ広いものと、1番高いフレットの幅より少しだけ狭い幅のものが1つずつあるととても便利です。
テープを縦に割くのは手間なので2本も要らないという方は少し狭いタイプを買いましょう。
※マスキングテープも通販だとなかなか探すのが難しいです。リンクは12mm〜で好きな幅を選んで買えるタイプです。
ホームセンターよりもやや割高なので耐水ペーパーをホームセンターで買われる方は一緒に買ってしまいましょう。
3-5 ピカール・コンパウンドは扱いが難しい
フレット磨きと言えば名前が上がることが多いのが「コンパウンド(ピカールは商品名)」と呼ばれる布などに染み込ませて使う液体状の研磨剤です。
コンパウンドはギターのフレットに限らず幅広い金属製品を磨くために使われるものですが、実際ギターに使おうとするといくつか注意点があります。
まず、コンパウンド用のクロスとギター掃除用のクロスは絶対に兼用しないこと。
研磨剤を含んだ液体が染み込んだクロスでその後ずっとボディを拭くのは長い目で見るとよくないです。
次に、必ずマスキングをして指板にコンパウンドをつけないようにすること。
指板に研磨剤を残してしまうこともあるので、ついてしまったら早めに拭き取りましょう。
指板についたコンパウンドをギター用クロスで拭いてしまうといけないですからね。
コンパウンド自体は優れた金属磨きですが「液状で布に染み込ませる研磨剤」という性質上ここまでに紹介した研磨剤よりも少しだけ扱いが難しいので、使われるときは注意して使ってくださいね。
もちろん、過剰に心配する必要はないですよ。
4.フレットを磨く方法と手順
さて、それではいよいよ実際にフレットを磨くときの手順をご紹介します。
まずここでは基本的なフレットの磨き方を見ていきますので、人によっては全ての工程をこなさなくても良いと思います。
4-1 オイル(水)で汚れを落とす

まずはクロスにオイル(なければ水)を少し含ませてフレットを拭き、「初期段階の錆び」や「錆び以外の汚れ」を落としてしまいましょう。
明るい緑色の錆びはこれだけで簡単に落ちてしまうはずです。
根気よく拭けば濃い緑の錆びも磨き取れるので、「ところどころフレットが緑になっている」くらいのレベルの方はここまででフレット磨き完了となるかもしれませんよ。
茶色っぽい錆びもある方は汚れだけ落としたら次のステップへ進みましょう。
4-2 マスキング

マスキングは指板を研磨剤による傷や鉄粉から守るための作業です。
しかし、フレット掃除が終わった段階ですでに「うっすら錆びている程度」の方は正直やらなくても良いと思います。
「全体的にまだ結構錆びているな」という方は指板の隙間が空かないようにマスキングテープを貼っていきましょう。
※フレット磨き用クロスは指板の塗装におおきなダメージを与えるものではありませんし、今回田村はマスキングを行なっていませんが、やはり「研磨用」である以上は指板に良いものではありません。
※写真は田村がアコギのフレットをすり合わせた際のマスキングの様子です。
4-3 フレットの表面を磨く

さて、それでは次は「フレット磨き用クロス」もしくは「2000番の紙やすり」を使ってフレットを磨いていきます。
このとき、広い範囲でフレットが錆びている方は1本ずつ磨くと本当にとても大変なので、硬いスポンジなど「少しだけ柔らかいブロック」にクロスや紙やすりを巻いて全体を一気に磨きましょう。
スポンジは「木のブロックにダンボールを貼ったもの」などで代用しても良いです。
フレット表面の錆びはクロスだけでも落とせますし、パパッと磨きたいときには初めから紙やすりを使うのもおすすめです。
ただし紙やすりで全体を磨く場合はマスキングと、フレット磨き用クロスでの「仕上げ磨き」を忘れずに行いましょう。
錆びがごく一部の場合は指で磨けば十分ですよ。
4-4 フレットの側面を磨く

次に、先ほどの研磨では落としきれないフレット側面の錆びを磨いていきましょう。
田村の場合は指と紙やすりで磨く場合が多いですが、フレット磨き用クロスを割り箸の先などに巻いて使うのも楽だと思います。
こればかりは1本ずつ丁寧に磨いていくしかないので、根気よく作業しましょう。
4-5 指板の掃除

さて、黒っぽい指板のギターだと分かりにくいですが、指板の上にはフレットから出た鉄粉がたくさん積もっています。
なので最後にもう一度オイルを使って指板を丁寧に掃除してやってください。
5度拭きしてもまだうっすら鉄粉がつくなんてこともザラなのでしっかり拭き取りましょう。
もちろん、きちんとマスキングをしていればテープを剥がしてサッと軽く拭くだけで掃除完了です。
古いクロスなど「汚れ掃除専用」に使えるクロスがない場合は少し手間ですがきちんとマスキングをしておくのがおすすめです。
おまけ① 色々な方法でフレットを磨いてみた様子
実は今回田村は普通のクロスによる乾拭きからフレット磨きを始めて水拭き、オイル拭き、フレット磨き用クロス、紙やすりの順に「フレットの錆びをどこまで落とせるのか」を検証しながら作業を進めていきました。
その際の様子をおまけ①として紹介しておきますので、よければご覧ください。
※おまけといっても結構ボリュームがあるので、内容は折りたたんであります。タイトルをクリックすると中の記事が開き、もう一度クリックすると閉じますのでご興味に合わせてお読みください。
①掃除前の様子
はじめに、およそ2年ぶりにケースから取り出したままのフレットの様子を見ておきましょう。

まずはローフレット側。
比較的錆びは少なめですが、明るい青緑色の汚れが目立ちます。

次にハイフレット側。
こちらは濃い緑〜茶色の汚れが多く、結構がっつり錆びてしまっていますね。
磨くのも少し苦労しそうです。

ちなみに田村の場合は弦だけ綺麗なままで残っていたので今回は緩めてブリッジの方からそっくり外しておき、後で戻すことにしました。
張っていた弦はエリクサー(有名なコーティング弦)のオプティウェブで、1〜2弦がわずかにざらついていたものの、錆びていなかったのはつくづく流石だと思わされます。
欄外の宣伝で申し訳ないですが、弦の錆びにお悩みの皆さんには本当におすすめなので良ければ使ってみてくださいね。
②乾拭き

さて、それではまずはほとんどのギタリストさんが持っているであろう「ただのクロス」を使ってフレットを磨いてみましょう。
時間にすると10分弱ですが、結構頑張って磨いてみました。

乾拭き後のローフレット側。
意外にも「明るい青緑の錆び」はこれだけでほとんど落ちてしまいましたね。
クロス越しに爪を立てて磨いてやれば、粉状になって綺麗に取れていきます。
ただ、田村の場合はギターを放置していた期間が長かったので、青緑色の錆びの下で赤茶色の錆びが出来てしまっています。

こちらはハイフレット側の様子。
汚れが落ちてわずかに綺麗にはなっているんですが、「濃い青緑〜茶色の錆び」は乾いたクロスで磨いてもほとんど効果がありませんでした。

乾拭き後のクロスの様子。
やや見ずらいですが、薄い青緑色の粉がついています。
③水拭き・オイル拭き
水拭き

さて、次はただのクロスに少しだけ水道水を染み込ませてフレットを磨いてみます。
写真では水が広がってしまって見えずらいですが、おおよそ緑の丸の内側が湿っている状態です。
クロス全体に水を吸わせて絞るとどうしても水を含みすぎてしまうので、狭い範囲に水をかけて自然に染み込むのを待つのがおすすめです。
間違ってもビショビショのクロスでギターを拭かないようにだけ気をつけてくださいね。

ほんの3分ほど水拭きで磨いた後のローフレット側の様子。
分かりづらいですが残っていた青緑の錆び汚れがほとんど落ちて綺麗になっています。
赤茶色の錆びは水拭きでも落ちる気配がありません。

ハイフレット側の様子。
先ほどに比べると「濃い緑色の錆び」がかなり薄くなっているのが分かりますか?
やはり水を使って磨いても茶色の錆びには効果がないですが、乾拭きに比べると随分楽に汚れが落ちていきます。

水拭き後のクロスの様子。
かなり汚れを落としてくれたことがうかがえますね。
※水拭きは汚れと一緒にギターに必要な油分(保湿力)まで奪ってしまうことになるので、なるべくオイルでの掃除がおすすめです。
オイル拭き

次はボディや指板掃除の定番、オレンジオイルを使ったフレット磨きです。
オイルに関してもあまりベタベタつけすぎるのはギターに良くないので、数滴染み込ませて拭いてやりましょう。

オイルで磨いた後の様子。
指板にツヤが出て綺麗になってはいますが、フレット自体は水で拭いた状態からほとんど変わっていません。
よく見るとハイフレット側では緑色が薄くなっていますが、フレットの汚れを落とす力は水とあまり変わらないようですね。

オイル拭き後のクロスの様子。
水拭きで落ちきらなかった汚れを少し落とせているようです。
手垢や汚れに対する洗浄力は水より優れていますし、水拭き自体それほどギターにいいものではないので、オイルを持っている方は初めからオイルを使いましょう。
④フレット磨き用クロス・紙やすり
フレット磨き用クロス

さて、それではいよいよ本命の「フレット磨き用クロス」でフレットを磨いていきます。

まずは指を使って5分くらい磨いてみた様子。
さすが専用のクロスだけあって作業をしながらフレットの錆びが落ちていくのを実感できますが、このままひどい錆びをピカピカになるまで磨こうとするととても時間がかかりそうです。

そこでおすすめしたいのが、ホームセンターなどで売られている硬めのスポンジにクロスを巻いてそれを押し当てるようにフレットを磨く方法。
仕組み的には「すり合わせ」と呼ばれるフレットリペアとほとんど同じです。
※田村の場合は10×10×3cmのスポンジ(150円)を適当に切って使いましたが、何か適度に硬いもので代用してもかまいません。

5分後の様子。
この量を指だけで磨こうと思うと本当にかなり大変ですよ。

さらに5分後のローフレット側の様子。
フレットの側面の赤錆びは残っていますが表面はほぼピカピカになりましたね。

ハイフレット側の様子。
表面にもまだうっすら錆びが残っていますが、このまま10分も作業を続ければ綺麗に磨き上がるでしょう。
ただ、今回はここでさらに強力に錆びを落とせる「耐水ペーパー」を使ってみることにしますね。
紙やすり(耐水ペーパー)

最後に、フレットすり合わせの仕上げ段階で使う2000番の紙やすりを使ってフレットを磨いていきます。
田村の場合は前にフレットをすり合わせた際の残りを小さくちぎって使うことにしました。

田村はマスキングテープなしで作業をしていますが、慣れないうちはマスキングテープで指板を保護しておきましょう。
※2000番の紙やすりで指板が大きく傷つくことはありませんが、指板と紙やすりが触れてしまうと塗装もわずかに削ってしまいます。とくにスポンジや木のブロックなどに巻いて使う方は絶対にマスキングしておきましょう。

フレットの上面と側面を合わせて20分ほど磨いた後のローフレット側の様子。
磨き用クロスよりも楽に錆が落とせます。
側面を磨くのはややコツがいりますが、錆びらしい錆びはほとんど落ちて綺麗になりましたね。

ハイフレット側の様子。
頑固だった茶色の錆びもきれいに落とせました。
錆びがひどいフレットを磨くときにはまずはじめに耐水ペーパーを使うのが楽ですよ。
ちなみに指板のポジションマークが少し黒ずんでいるのはフレット磨きで出た細かい鉄粉のせいです。
拭けばすぐ綺麗になりますがクロスは真っ黒になってしまうので、やはりマスキングをしておくのがいいでしょう。
おまけ② ペグ・ブリッジの錆び落とし
ここからはおまけ②としてフレットと一緒に錆びていた「ペグ・ブリッジ・ピックアップ」の錆びをついでに磨いた様子も簡単に紹介しておきますね。
ノウハウはフレットと全く同じですが、ギターの金属パーツを磨く際によければ参考にしてください。
ペグ

まずはペグです。
ひどい錆びではないですが、ペグにありがちな「ぶつぶつした感じの錆び」が出来てしまっていますね。
フレット用クロスでしばらく磨いても少し錆びが残ってしまうようだったので、2000番の紙やすりを使って仕上げました。
やはり紙やすりは1枚持っておくと錆び系のメンテナンスで重宝するので、ホームセンターで買っておくといいですよ。100円もしませんので。
ブリッジ

次はブリッジですね。
錆びに加えてホコリも積もっていて、かなり汚れた印象になってしまっています。
丁寧に磨こうとすると細かい部品を外す必要が出てきてしまうので、今回はブリッジ本体のみを外して手が届く範囲をフレット磨き用クロスでササっと磨きました。
ところどころ錆びも残っていますが、これだけでも見違えるように綺麗になったと思いませんか?
ピックアップ

最後はピックアップです。
磨くのに気を使うパーツですが、幸い今回はほとんど錆びていませんね。
表面にあったわずかな汚れと錆びをフレット磨き用クロスで拭き取りました。
磨いたあとはピックアップの向こう側にピントが合ってしまって、鏡のようです。
今後フレットを錆びさせないためには?
さて今回はフレットの錆びを磨く方法についての内容でしたが、お役に立てそうな情報はありましたか?
今回フレットを錆びさせてしまっていた田村が書くのも説得力がないですが、これからなるべくフレットを錆びさせないためには大きく分けて2つの方法があります。
まず、1つ目はなるべく頻繁にギターを弾いてやること。
実はギターのフレットというのはただ普通に弾いているだけでも少しずつ削れて磨かれていくものなので、よく弾いているギターであれば塩水にでもつけない限りひどい錆びは起こりません。
次に2つ目は「弦交換をするとき」や「長い間ギターをケースにしまう前」にしっかりとオイルを使って指板やフレットを拭いてやり、汚れと手垢をとってやること。
錆びはたまった汚れに含まれる塩分や、そこに集まる湿気からゆっくりと進行していくものなので、元になる汚れと塩分がなければかなりマシになります。
田村は2年前に「ギターをケースにしまう前のオイル拭き」を怠ったために今回フレットをひどく錆びさせてしまいました。
なので皆さんも今後長い間ギターと離れるときには一度弦を緩めて、丁寧にフレットを掃除してやってくださいね。