エレアコに使う電池の役割とアルカリ・マンガンの違い

エレアコ用9v電池アコギ・エレアコ

エレアコの9v電池ってどこで売ってるの?アルカリとマンガンどっちが良いの?なぜ必要なの?

最近の市販のエレアコにはほぼ間違いなく必要な9v電池ですが、普段の生活からするとあまり馴染みないものなのであまり詳しいことが分からないという方も多いと思います。

今回はそんなエレアコの9v電池について売り場などの基本的な情報から、なぜエレアコに電池が必要なのか、アルカリとマンガンはどちらが良いのかなどについて、少し詳しく見ていきましょう。

1.エレアコの9v電池って?

エレアコ用9v電池

9v電池とは写真のような箱型の電池のことで、普通の単3電池のおよそ6倍のパワー(電圧)があります。

電子楽器やギターの世界では本当に幅広く使われていて、写真にのせてある「DURACELL procell」(デュラセル)と呼ばれるオレンジ色の電池はとくにエレアコや楽器本体用として定番の9v電池です。

詳細は後から紹介しますので、まずはエレアコと9v電池の関係を簡単に見てみましょう。

値段や売り場は?

・値段…500円ほど
・売り場…楽器屋、電気屋、スーパー、(通販)など

9v電池にはマンガン・アルカリの2種類があって、マンガン電池は300円、アルカリ電池は500円ほど。
エレアコの場合は少し高いですが「アルカリ電池」を選んでおきましょう。
※詳しくは後で解説しますね。

9v電池はコンビニでは売っていないことも多いので、お店で探すときには楽器屋さんや大きめのスーパー、ホームセンター、電気屋さんなどが良いです。
たまに練習スタジオやライブハウスでも売っていることがあるので、ついでがあればそこで買うのもいいでしょう。

ただ、エレアコやエフェクター用として音楽業界では定番の「デュラセル」は日本では楽器屋さんや音楽系のお店でしか扱っていないことが多いので、エレアコ用の電池を探しに行くときには近所の楽器屋さんに行ってみるのがおすすめです。

サウンドハウス(楽器通販サイト)ではデュラセルの扱いがありませんでした。

電池はなぜ必要?絶対に必要?

楽器屋さんで元から「エレアコ」として売られているエレアコには基本的に電池が必要です。

実はピックアップの仕組みてきには「電池なしで音を出す」ことも出来るんですが、「電池あり」のほうが明らかに音も使い勝手も良いので、最近のエレアコにはまず間違いなく電池が使われています。

※ピックアップは音を拾うマイクのような装置のこと
例外として単3電池で動くエレアコや、後付けできるボタン電池式のピックアップがあったりします。

エレアコにとっての9v電池の役割は簡単に言えば「音の信号を強くして劣化やノイズに強くすること」です。これについては後でもう少し丁寧に説明しますね。

電池を使う設定で作られたエレアコの場合、電池なしでは音が出せないことが多いので気を付けてください。

9v電池の寿命は?勝手に電池が切れる?

こればかりは使用頻度や使い方にもよるので「絶対にこうだ!」とは言えないんですが、田村が普段使っている経験から言えば1回電池を交換したらおよそ1ヶ月くらいは持つと思います。

例えば、田村の場合

・週2回、2時間のバンド練習
・毎月のライブ前に電池を交換

というサイクルでエレアコを使っていました。
これで練習中に電池が切れた経験はほとんどないですし、ライブがなかった月だと2ヶ月くらい、もしくはそれ以上使えていたように思います。

※当時、9v電池の残量チェッカーを持っていなかったのでライブ前の電池交換は念のためです。電池用のチェッカーは1つ持っておくと本当に便利ですよ。

自分で電源をオン・オフするタイプのエレアコは練習後にスイッチを切り忘れると電池の消耗が早いですが、そうでなければ使っていないときには電池は減りませんし、「ライブ前に交換」くらいで十分でしょう。

ちなみに電池が切れかけになると音が極端に小さくなったり、逆に「ブーーー」というブザーのような大きなノイズが混ざったりして全く使い物にならないので、予備の電池を1つか2つはケースに入れておくのが安心です。

さて、ここから先は「アルカリ電池とマンガン電池の違い」と「エレアコに電池が必要な理由」についてのもう少し詳しい話に入っていくので、気になる方はぜひ読み進めてみてくださいね。

2.エレアコの9v電池はアルカリ?マンガン?

実はインターネット上でエレアコや電池について調べると、「エレアコにはマンガン電池が良い」という情報もいくつか出てきます。

「エレアコにはアルカリ電池が当たり前」の環境にいた田村はこれを初めて見たときは目を疑いました。

正直に言って田村は電池や電気系統について特別詳しくもありませんが、少なくともここ数年のエレアコ業界を見ている分には皆さんにアルカリ電池の方をおすすめしたいです。
ここではエレアコ9v電池の種類について少し詳しくみておきましょう。

2-1 定番や標準の9v電池はアルカリ

まず、田村の知る限りほとんどのエレアコメーカーは標準、つまり工場出荷時の電池としてアルカリ電池を使っています。

例えば現在エレアコメーカーとして売り上げ世界一のTaylor(テイラー)などはアルカリ電池を使っていて、その中でも先ほど紹介した「デュラセル」に特化した作りになっていることでも有名です。
(他の電池だとうまくはまらないことがある)

基本的に楽器の工場出荷時につかわれる弦や電池はメーカーの技術者が色々な面から「これが最もふさわしい」と判断して選ぶものですよね。

色々な人のエレアコを見たり楽器屋店員さんのおすすめを聞いても、やはり定番として使われているのはアルカリ電池のようです。(とくにデュラセルは多い)

この時点で、素人考えでもアルカリ電池の方が良さそうですが、今回はせっかくなのでもう少しだけ掘り下げてアルカリ・マンガンの電池自体の違いも簡単に見ておきましょう。

2-2 アルカリ電池とマンガン電池の違い

いつも何気なく使っている単3電池などにもアルカリとマンガンはあるわけですが、ほぼ何にでも使えるイメージのアルカリ電池に対して、マンガン電池は「リモコン」や「時計」などへの使用が多いイメージがありますよね。

実は結論から言ってしまうと、アルカリ電池は短期間にたくさんの電力が必要な場面に向いていて、マンガン電池は長期間に少しずつ電力を使うことに向いています。

例えばリモコンや時計などは毎回ほんの少しずつしか電気を使いませんし、電池交換も1年以上の間隔になってくると思います。
マンガン電池はこんな風に「ちょっとの電気を、無駄なく少しずつ」安定して出すことが得意なんです。

一方で音や光を出すライトやブザーなどは一度にたくさんの電気とパワーが必要で、長持ちしても2〜3ヶ月くらいで電池が切れてしまいますよね。
アルカリ電池は長い間(1〜2年ほど)使うと「液漏れ」などを起こしてしまうんですが、こんな風に一気にパワーが欲しいときには強い電池です。

では本題のエレアコはと言えば、「無駄なく少しずつ」というよりは「ライブの時にしっかりパワーを出して使う」に近いものではないでしょうか。

また、エレアコで電気を使っている「プリアンプ」と呼ばれる装置には最近ではチューナーやイコライザーなど色々な機能が付いていることも多くて、より一層パワーが必要になってきています。
しっかり本体の音量を上げてライブをするためにも、やはりエレアコにはパワーの強いアルカリ電池がいいでしょう。

※液漏れについては半年〜1年以上エレアコを使わないときに電池を外しておくと安心ですよ。

3.エレアコの9V電池はなぜ必要?

突然ですが、皆さんは楽器の世界で「アクティブ」「パッシブ」という言葉を聞いたことはありますか?
もちろんこれは楽器の音や性格が活発だとか控えめだとか、そういう意味じゃありません。

アクティブとパッシブの違いは「演奏に電池が必要かどうか」です。
具体的には「アクティブなエレアコ」が電池を使ったエレアコ、「パッシブなエレアコ」が電池の要らないエレアコのこと。

ここからはアクティブとパッシブの2つのエレアコの違いを通して、どうしてエレアコに電池があったほうが良いのかを見ていきましょう。

3-1 アクティブなエレアコ

エレアコのピックアップは音を拾うと、それを電気信号にしてスピーカーに送っています。

しかし実は、その時の信号というのはとても小さなものなんです。
(音の力で発電するようなものなので)

その小さな弱い信号がスピーカーへの経由地(DI・プリアンプ)まで数メートルのシールドケーブルを通って行くと、ちょっとした電気抵抗やノイズですぐに信号が劣化してしまいます。

そこで、「エレアコの中で電池を使って信号を増強してからスピーカーに送ろう!」という発想で作られたのがアクティブなエレアコです。

つまり、信号を強くするための「プリアンプ」という装置をボディの中に積み込んでしまうということですね。

普通のアコギに比べると重くなってしまいますが、大音量でエレアコを鳴らすときには圧倒的にアクティブのほうがいい音が出せるので、楽器屋さんに置いてあるエレアコはほとんどがアクティブタイプです。

アクティブタイプのエレアコにはチューナーや簡単なイコライザーがついていることも多いので、ライブをする人にとっては嬉しい機能ですよね。

3-2 パッシブなエレアコ

先ほどとは逆に、「ピックアップの小さな信号を、一旦外にある経由地点(プリアンプ・DI)まで送ってからそこで強くし、スピーカーに送ろう!」というのがパッシブタイプのエレアコです。

つまりパッシブタイプではギター本体から経由地点までの距離が長いほど、どんどん信号が弱ってしまうということ。

この場合は3mより2m、2mより1mのシールドケーブルを使用した方が良いでしょう。

パッシブなエレアコはシールドが短くしても多少は音が劣化しやすいことと、1本目のシールドが短くてライブ中に動き回るようなパフォーマンスが出来なくなってしまうことが難点です。

基本的にパッシブなエレアコというのは自分でピックアップを後付けする場合だと思うので、それ以外の方はあまり気にしなくてもいいと思います。
ちなみに、後付けでもアクティブタイプのピックアップがあるので、自分でアコギにピックアップを積んでみたいという方は注意してみてください。

まとめ

さて、今回はエレアコに使われている9v電池について、

・500円くらい
・楽器屋で売っている
・デュラセルが定番
・アルカリの方がおすすめ
・アクティブなエレアコに使用

という内容をおさえておいてください。

文中にも少し書きましたがエレアコの電池は思わぬタイミングで切れてしまうこともあるものです。
電池残量が少なくなると音が出なくなるだけでなく大きなノイズの原因になることもあるので、普段からなるべく予備の電池もギターケースに入れておいてくださいね。

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