ギターのピッキングの練習をするとき、まず初めにやって欲しいのが鏡を使ったフォームの確認と改善です。
とくに初心者の方は腕のコントロールに慣れていないと思うので、ピックの軌道や振れ幅の練習も中々うまく行きませんよね。
今回は鏡を使った練習とそのコツやポイントを通して、ピッキングの右手の大まかなコントロールを目指しましょう。
1.ギターの練習には鏡を使おう
まず、ギターで右手やピッキングのストローク、フォームを改善するために一番大切になるのが「鏡」を使った練習。
田村としてはピッキングフォームに限らず、左手の運指なども含めて「ギターの練習=鏡の前でする」という習慣をつけるのがおすすめです。
今回鏡を使ったギター練習で初めにチェックして欲しいのは、
・ピックの軌道
・ピックの振れ幅
・全体的な右手のピッキングフォーム
の3つ。
どれも基本的なようでかなり難易度が高いことなので、あまり焦らず、少しずつピッキングのフォームを身につけていきましょう。
※ピッキングフォームの基本形や役割から知りたい方は「ギターの正しいピッキングフォームと右手の使い方」という記事を先にどうぞ。
2.ピックの軌道を弦と垂直にする練習
まずは鏡を見ながら(もしくは動画でギターの手元を写しながら)、自分のピッキングフォームがきちんと弦と垂直にする練習をしてみましょう。
最初はゆっくりからで良いので、ピックの軌道が弦と垂直になるように調整しながら何度もピッキングしてみてください。
ギターを弾く時にピックの軌道を弦と垂直にするというのは自分では出来ているつもりでも意外と出来ていないもの。
とくに初心者の人の場合は、ピックの振り始めだけが弦と垂直で、残りはピックがカーブを描いて外(ブリッジ側)にそれてしまっていることが多いです。
この軌道を治すことがギターの右手練習の第一歩。
出来るようになれば出音もかなり力強くなりますので頑張ってください。
右手首のスナップを意識しすぎないこと
ギターのピッキング練習では「右手首でスナップを効かせなきゃ」と思っている人が多いと思います。
確かにスナップは出来るとカッコいい技術ですが、実はギターのコードストロークやバッキングに必ず必要なものではありません。
むしろ右手やピックのコントロールができていないうちに下手にスナップを意識すると、返ってギターの音をダメにしてしまうことの方が多いです。
右手のスナップは1歩間違えるとピッキングの軌道が外にそれる原因にもなるので、基本練習の時は思い切って忘れてしまいましょう。
手首は柔らかく力を抜いて、「腕だけでギターを弾く」くらいのつもりでいいので、まずは自分の思った軌道で腕を動かし、ピックを振れるようになることが大切です。
3.ピックの振り幅の練習
次に、ギターをピッキングするときの自分の「右手の振り幅」を確認しながら練習してみましょう。
ギター初心者の人でよく見るフォームは、「極端に大ぶりなピッキング」や「極端に小ぶりなピッキング」です。
田村もはじめのころはギターのボディ幅くらい大ぶりに右腕を振って「ガシガシしたイメージのバッキング」をしていました。
基本的なコードストロークの幅は「1弦〜6弦よりも少し広いくらい」なので、自分のストロークが明らかに大ぶり・小ぶりな場合はこれを直す練習もしてみましょう。
ただし、この練習は右手全体のコントロールが必要で、ギターのピッキングフォーム練習の中では難しい方に入ります。
すぐには出来なくても良いので、他の要素と合わせて少しずつ上達していきましょう。焦りは禁物です。
大振りピッキングの原因は?
腕振りが必要以上に大きくなってしまうという方は、腕のコントロールに慣れていないだけでなくて「腕の使い方」に問題があるかもしれません。
具体的に言えば、腕の振りが大きすぎる人はピッキングの時に肩を使いすぎて肘(ひじ)の位置が大きく上下に動いてしまっている場合が多いです。
最終的には肩も肘も柔軟に使えたほうがいいですが、練習では試しに肘の位置をあまり動かさないイメージでピッキングをしてみましょう。
小振りピッキングの原因は?
ピッキングの幅が小振りすぎる人に多いのが「手首から先だけ」でギターを弾いてしまっているパターンです。
肘や肩を固定するとピック自体のコントロールはとても楽になるんですが、ピッキングの音に色々な表現を入れようと思うとやはり腕全体を使って演奏できることが大切になってきます。
難しいですが、少しずつ肘や肩を思い通りに動かすことに慣れていきましょう。
膝を叩くイメージでピッキングしてみよう
ピックの軌道、振り幅のどちらにとってもおすすめの練習が、「ピッキング後の右手で膝をたたく」というもの。
これはイスに座ったギター練習の時でないと出来ませんが、ピッキングした右手の甲をそのまま落として、パンッと膝をたたくイメージです。
※ピックを振り抜くのではなく、膝の位置をゴールにして「当て止め」するようなイメージを持ちましょう。叩きつけるというよりは、腕の重さで「自然に落とす」ような感覚です。
この練習の良いところは
・ピックの軌道がそれにくくなる
・ピッキングフォームが適度にコンパクトになる
の2つ。
そのうち右手を膝に当てなくてもピッキング出来るようになるので、まずはピッキングの幅や軌道の感覚、とくに「まっすぐ落とす・下で止める」という感覚を身につけましょう。
4.右手全体のピッキングフォームの確認と練習
あるていどピッキングフォームが良くなってきたと思ったら、一度右手全体に目を向けて練習してみましょう。
大切なのは、肩、ヒジ、手首がどれも柔らかく使えているということ。
無意識のうちに腕のどこかに力が入ってガチガチになっていると、中々思うようにギターが弾けません。
ポイントとしては、
・手首だけのピッキングになっていないか
・ヒジだけのピッキングになっていないか
・肩に力が入ってしまっていないか
という3つを確認してみて下さい。
たとえピッキングのストロークがゆっくりでも、この3つがきちんと出来ればしっかりとした抜けの良い音は出せます。
腕振りやスナップのスピードなどは、丁寧に少しずつ上げていければ十分です。
動画を撮ってみよう
全体的なピッキングの確認としては少し遠く(上半身が写るくらい)からギターの練習動画を撮ってみるのがおすすめです。
自分のギターの音やピッキングフォームを本当に客観的に見られるので、鏡を見ながらの練習でも気づかないようなことに気づけることも多いはず。
とくに音に関しては自分が練習中に聴いているギターのイメージとはだいぶ違うと思うので、たまに練習動画を撮って右手の上達や成果を確認するようにしましょう。
まとめ
今回はピッキング練習の第一弾として、大まかな右手のコントロールを目指す記事でした。
ギターを弾く時にピックの軌道を弦と垂直にする、ピッキングの振り幅をほどよくするというのは口で言うのは簡単でも、実際はどちらもとても大変ですよね。
とにかく、ギターのフォーム練習は鏡や動画とにらめっこしながら地道にやっていくしかありません。
そして実はこの練習で大切なのは綺麗なフォームで弾くこと自体よりも、「腕を思い通りに動かせるようになること」です。
田村としてはいずれ皆さん1人1人にとっての「良いフォーム」を見つけて欲しいので、まずは型通りに腕を動かすことを目標に、少しずつ練習していきましょう。