6本の弦を均一に鳴らすギターピッキングの練習

ギターでコードを弾くとき、6本の弦が均一に鳴らせているかどうかを意識したことはありますか?

簡単そうに聞こえる内容ですが、実はこれはピッキング・右手の技術の中でもかなり難しい方に入ります。

というのも、ギターの弦を均一に鳴らすというのは、そもそも右手の脱力やピックのコントロールが出来ていないと絶対に出来ないから。
ある意味ではピックの力加減の仕上げ的な練習だと言ってもいいでしょう。

また、逆に「わざと不均一に弦を弾く」というのもギターの表現としては大切で面白いものです。

今回は「均一なピッキング」と「不均一なピッキング」の練習を通して、ギター演奏に強弱以外の変化をつけることを目指します。

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1. 6本の弦が均一ってどういうこと?

6本の弦が均一というのは、文字通りギターの弦が全てバランス良く鳴っている状態のことです。

しかし、まずこのピッキングを練習するときに厄介なのが「どの弦がどれくらい鳴っているか分かりにくい」ということ。
そもそも自分では弦の鳴りが偏っていることに全く気づいていないという場合がとても多いです。

かく言う田村も「自分では均一に弾いているつもり」で、かなり不均一なピッキングをしていました。

1-1 不均一なピッキングのデメリット

では、不均一なピッキングのデメリットとは一体なんなんでしょうか。

ピッキングが無意識に偏ってしまう最大のデメリットは、「自分の出したい雰囲気や抑揚と音色が上手く合わない」ということ。
音作りやイコライズをするときになぜかバランスの良い音に出来ない、静かに聴かせたいバラードがなぜか元気な印象の音になる、などで悩んでいる方はこれが原因かもしれません。

ただ、実は不均一なピッキングそのものは別に悪いことじゃないんです。
例えば「低音を大きく出したいな」と思ったなら、田村は好きなだけ6弦側に偏ったピッキングをすれば良いと思います。
むしろ、ずっと均一なピッキングの演奏なんて音楽としてつまらないとすら感じるくらいです。

しかし、そうすると何故わざわざ均一なピッキングを練習する必要があるんでしょう。

1-2 均一なピッキングのメリット

実は均一なピッキング自体のメリットは、せいぜい「安定感のある演奏ができる」くらいしかありません。

しかし、「やろうと思えば均一なピッキングが出来る」というのはギターを弾く上でとても価値があることだと言えます。

というのも、本当にきれいで均一なピッキングが出来るようになるためには、どうしても自分の思い通りの弦を好きな強さで弾ける必要があるから。
最低でも「1弦側を強く弾く」「6弦側を強く弾く」くらいは自由自在に扱えるようなコントロール力がないと、絶対に均一なピッキングは出来ません。

また、反対に均一なピッキングが出来ていない状態で「不均一なピッキング表現」をしようとしても、思うように音色が変わってくれなかったり、極端すぎる変化が付いてしまったりするものです。

つまり、均一なピッキングが出来るようになる頃には今よりはるかに豊かな表現力が手に入るということ。

なので今回はどちらかと言えば「右手の表現力を鍛える」ために均一なピッキングを目指してみましょう。

2.均一なピッキングの練習方法

さて、それではいよいよ均一なピッキングの練習に入っていきます。

均一なピッキングは繊細なコントロールが必要で、ただ闇雲に「ひたすら均一を意識してコードストロークを練習する」だけではとても時間がかかってしまうもの。

なので今回はピッキング練習を

・フォームと脱力の確認
・ゆっくり均一なピッキング
・わざと不均一なピッキング

の3種類に分けて挑戦していきましょう。

2-1 フォームと脱力の確認

初心者の方の場合、均一なピッキングを目指すためにまず「フォームの基本と右手の脱力」をある程度身につける必要があります。

どちらもとても大切なものなので、不安な方は一度一緒に確認してみましょう。

フォームを確認しよう

まずフォームの場合、とくに「ピックの軌道を弦と垂直にする」ことが出来ないとなかなか均一なピッキングが出来ません。
というのも、これが出来ていないとピックが途中から外にそれてしまうので、そもそも全ての弦をしっかり鳴らすことが出来ないから。

ピッキングフォームを練習したことがない、不安だという方は「鏡を使ったギターの右手・ピッキングフォームの練習方法」という記事で一度自分のフォームを見直してみましょう。

脱力を確認しよう

次に脱力の場合、最低でも「引っかかりのないピッキング」までが出来ていないと均一なピッキングは出来ません。
「ピックが弦に引っかかる」というのはそもそも「意図しない弦が強く鳴ってしまう」現象ですからね。

脱力自体も初心者の方にとってはかなり練習が必要な技術ですが、これは全てのピッキングの土台とも言えるような大切な要素。
ギターの右手ピッキングを脱力する練習方法とコツ」という記事の内容はぜひ一度読んで挑戦してみて下さい。

2-2 ゆっくり均一にピッキングする練習

さて、脱力とフォームがある程度形になってきたらいよいよ均一なピッキングを練習してみましょう。

まず、脱力練習の時のようにゆっくり丁寧に右手を動かしてピッキングしてみてください。

この時、とにかく「6本の弦を同じ音量バランスで鳴らす」ことを意識するのが大切です。
焦って早く弾いてしまうと練習にならないので、1音1音がはっきり聞き取れるアルペジオのような速さからやってみましょう。

これを丁寧なまま徐々に早くすることで、まずは1から均一なピッキングを目指していきます。
コツは「1本1本の弦を弾いている感覚」を大切にしながら練習していくこと。

ただ、初めから完璧には出来ないと思うので、ある程度やったら一度次の練習に進んでみてくださいね。

2-3 わざと不均一にピッキングする練習

次に、「わざと大きく偏ったピッキング」をしてみましょう。

具体的には、ギターのコードバッキングで

・わざと1弦だけ大きく鳴らす
・わざと6弦だけ大きく鳴らす

練習をしていきます。

ゆっくりからで良いので、はっきり強弱を偏らせて丁寧に弾いていきましょう。
これもやはり、1音1音と弦の1本1本をしっかり意識してピッキングするのがポイントです。

ギターで狙った弦だけ大きく鳴らすというのは、均一なピッキングの感覚をつかんだり、コードバッキングにグルーブ感を生み出す上でとても大切なもの。
好きなコードで良いので、何度もトライしてみてくださいね。

2-4 曲調に合わせて表現を変える練習

さて、意識的に均一なピッキングと不均一なピッキングが出来るようになってきたら、それを曲の中で表現として使う練習をしていきましょう。

と言っても方法は簡単で、まず自分の好きな短いコード進行を用意して、あとはそれを繰り返し何周も弾いていくだけです。

この時に、コード進行が2周するたびに「ピッキングの均一さ」を切り替えてみて下さい。

例えば、

①はじめの2周 :6本とも均一
②次の2周 :低音を強く
③次の2周 :高音を強く

という風に弾いてみましょう。

意識して欲しいポイントは、

・同じ表現のセクションは安定した一定の弾き方が出来ること
・表現の切り替えではっきり大きく違いを出すこと

の2つ。

意外と難しい練習ですが、これが出来るようになれば実際の曲の中でも自分の思い通りに音をコントロール出来るようになるので、思い出した時に少しずつ頑張ってみて下さい。

※短い循環コード進行の例
①C、F、G、C
②C、Am、F、G
③Am、F、G、C
など。

まとめ

今回は6本の弦を均一に鳴らすことを通して右手の表現力アップを目指す記事でした。

練習方法自体はシンプルであっさりしているように見えますが、実際にやってみると思った通りに音を出すのはかなり難しいですよね。

ピッキングの均一さや不均一さのコントロールは、音楽をやっていない人から見ればあまり気付かないような変化ですが、無意識で聴く人に与える印象はとても大きなもの。

自分の思い通りに音色を変えられるようになるとギターもますます楽しくなってくると思うので、普段自分の好きな曲を弾く時にも「ここは低音を強調しようかな」「ここは平坦に弾こうかな」など、色々と遊んでみて下さいね。

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