ギターの弦を長持ちさせたり、少しでも安く節約する方法はないの?
ギターを弾く人にとって避けて通れないのが弦切れや錆びなどによる弦交換ですが、その出費は毎回のことになると決してバカにならないですよね。
田村も初心者のころは張り替えて1日もたたない弦を切ってしまったり、すぐに錆びさせてしまったりして、本当に弦代の節約は大きな課題でした。
今回は、田村のこれまでの経験をもとに、少しでも弦を長持ちさせる方法と、弦をお得に安く買う方法をご紹介します。
1.弦代を節約するには
ギターの弦代を節約する方法について、誰もが思いつく方法。
それは、「弦を長持ちさせること」と「弦を安く買うこと」だと思います。
ところが、安い弦はそれなりに音も良くない場合が多いですし、錆びや弦切れを防ぐのもギターの扱いに慣れてこないとなかなか難しいものですよね。
弦は消耗品ではありますが、今回ご紹介する弦を長持ちさせる工夫5つ、弦を安く買う方法6つを使って、少しでも弦代を節約していきましょう。
2.弦を長持ちさせる5つの方法
まずは張り替えた弦をなるべく長持ちさせる方法から見ていきます。
同じ弦が長く使えればその分だけ弦交換の頻度も減るので、これは弦代節約の大きな一歩ですよ。
弦の錆びを防ぐ
まず大切なのが、「弦をなるべく錆びさせない」ということ。
手汗の量などによって錆びやすさは変わりますが、夏場の弦はやはりすぐ錆びてダメになってしまいます。
錆びを防ぐ方法はいくつかありますが、1番大切なのは「ギターを弾く前はきちんと手を洗うこと」です。
弦が錆びる主な原因は手についた塩分と油分なので、練習前にしっかり手を洗ってやれば、それだけでも弦の寿命は大きく変わってくるんです。
また練習後に弦をクロスで拭いてやるのも欠かせません。
「とにかく錆びに困ってるんだ」という方や、「そもそも錆びた弦ってそのままじゃダメなの?」という方はぜひ「ギターの弦の錆びによる影響とその防止対策」を後で読んでみてください。
きっとお役に立てると思います。
弦を切らない
今、張り替えて1ヶ月以内に弦が切れているという方は少し原因を考えてみた方が良さそうです。
もちろん、ギターの弦は弾く頻度や演奏スタイルによって切れるまでの寿命が全く違いますが、それでも「普通に弾いていて」1ヶ月で切れるというのは少し早い気がします。
弦切れはギター本体や器具の使い方が原因というよりは、初心者の方の場合ピッキング方法に問題があることが多いです。
弦がよく切れてしまうという人は下の記事も参考に「フォームの確認」や「脱力したピッキングの練習」をしてみてください。
とくに1弦がよく切れる場合、もしかするとアップピッキングがスムーズに出来ていないことが原因かもしれません。
コーティング弦は長持ちする?
さて、弦代の節約を考えていると頭に浮かぶのが「長寿命・長持ち」とされるコーティング弦です。
コーティング弦の値段は普通の弦の1.5倍〜2倍と高いですが、その値段以上に長持ちしてくれるならそれに越したことはないですよね。
しかし結論から言えば、弦がすぐ切れてしまう人の場合コーティング弦を使ってもほとんど節約になりません。
コーティング弦の切れやすさは普通の弦と変わらないので、むしろコスパは悪化してしまうでしょう。
ただ、「弦が錆びなければもっと長く使えるのに」というタイプの方はかなりおすすめしたいです。
経年劣化で弦のテンションが落ちていくことさえ気にしなければ、十分元をとれると思いますよ。
コーティング弦に興味がある方は「コーティング弦の仕組みと寿命 |錆びない弦の比較とおすすめ」という記事も合わせて読んでみてください。
ちなみに田村が使っているのも「エリクサー 」という名前のコーティング弦です。
※エリクサー(Elixir)弦の特徴とポリ・ナノ・オプティウェブの違い
弦は緩める方が長持ちする?
「ギターの弦は演奏や練習が終わったら緩めておくのが良い」という話は聞いたことがありますか?
実はこれはギタリストや楽器を扱う方の間でいろいろな意見が飛び交うテーマなんですが、少なくとも「弦のテンション」に限定して言えば「弦を緩めた方が長持ちする」と言えます。
ただ、弦を緩めるのはギターにとって良い場合と悪い場合があります。
ギターを弾く頻度があまり高くない、週1回弾くか弾かないかという方の場合は少し弦を緩めておくと良いかもしれませんね。
ギターの弦を緩めるかどうかは少しデリケートな問題なので、緩めてみたいという方は「ギター保管で弦を緩めるメリットとデメリット」という記事を一読しておいて欲しいです。
ちなみに田村は普段弾くアコギの弦はまったく緩めていません。
弦の寿命はどれくらい?
さて、ある程度ギターに慣れてくると弦が切れることはほとんど無くなりますし、コーティング弦を使っていると錆びすら心配しなくてよくなってきます。
田村は最近2ヶ月に一回くらいの頻度でギターの弦を張り替えていますが、その理由は「弦の音が明らかに死んでくるから」です。
しかし、弦を交換する基準は人によって本当にバラバラなもの。
「そもそもどれくらいで弦交換すれば良いの?」という方は参考までに「弦の寿命と交換時期を判断するポイントとは」という記事を読んでみてください。
3.弦代を安くする6つの方法
それでは次に少しでも安く弦を買う方法を考えてみましょう。
基本的なことばかりですが、場合によっては20〜30%くらいの節約にはなるかもしれませんよ。
弦交換にバラ弦を使う
とても基本的なことですが、初心者の方だと「バラ弦」の存在を知らない人も多いと思います。
バラ弦というのは、1弦だけ、3弦だけなど、1本ずつバラバラで安く売っている弦のこと。
例えば1弦ばかりよく切れてしまう人の場合、毎回全ての弦を張り替えていたらすぐに弦代が高くなってしまいますよね。
ところが1弦だけをバラ弦で買って張り替えれば50〜100円程度の出費ですむんです。
普通のセット弦から1本だけ取り出して使ってもいいですが、1弦が切れやすい方の場合2〜6弦ばかりがたくさん余ってしまいますし勿体無いですよね。
きれいな弦は取っておいて再利用
ライブ前などで「まだ弦は綺麗だけど張り替えよう」っていうこともありますよね。
そんな時の弦は切らずに丁寧に外して、8の字巻きで丸めるか、壁に吊るすなどして取っておくのがおすすめです。
田村の場合は他のギターに移植したりしますが、まだ使える弦を捨ててしまうのはもったいないですからね。
きれいな弦を張り替える場面があれば、ぜひ一度試してみてください。
※壁に吊るす方法など詳しくは後で紹介する「弦交換の方法記事」に書いています。
「3セット弦」を買う
ギターの弦はメーカーによっては2〜3セットをパックにして安く売っている場合があります。
パックでまとめ買いするととても安く弦が手に入るので、「いつも同じ種類の弦を使っている」という人はぜひ探してみてください。
高い割引率のものも多いので定番の弦を使う方にはおすすめです。
安い弦は音も悪い?
元々の値段が安いメーカーの弦を買うというのも手ですよね。
本当に安いものだと1セット100円を切っているものも見たことがありますが、その弦の音はテンションが下がりきった弦のような酷いものでした。
金属の弦というより、倍音の少ないゴムを弾いているような感覚です。
もちろん弦の品質は値段だけで一概にはいえませんし、試して見てもいいとは思いますが、最低でも1セット300円くらいはするものを選んだ方が無難でしょう。
ブロンズ弦を使う
これはアコギ限定の方法ですが、アコギの弦はフォスファーブロンズよりもブロンズの方が1回り安いです。
もちろん音色も変わりますが、どちらが優れているというものではなくて完全に好みの世界なので、ギターの練習としてはどちらを選んでも全く問題ありません。
2つの弦の違いは「ブロンズ弦とフォスファーブロンズ弦の違いとは」という記事で紹介しているので詳しくはそちらへどうぞ。
弦を通販で買う
基本的に通販で買う弦は楽器屋さんで売られている値段より安く手に入ります。
また、安いからといって楽器屋さんより品質が悪いということもまずありません。
ピックなどもそうですが、通販でものを買うことに抵抗がなければ通販サイトで弦を探して見るのも良いと思います。
4.おすすめの弦は?
さて、では結局どんな弦を選ぼうかということですが、総合的にみて田村が1番おすすめしたいのはエリクサーの弦です。
錆びへの耐久力や、倍音の持ちが飛び抜けていますからね。
弦を切ることが少ない方なら他の弦に比べるとかなり長く良い状態でギターの練習ができると思います。
ただ、文中でも少し書いたように、「すぐに弦が切れてしまう」という方にとってはエリクサーは高いだけになってしまうので節約という面ではおすすめしません。
その場合は300円〜800円くらいの弦を選ぶと良いでしょう。
田村の個人的なおすすめはエレキギターならアニーボール、アコギならマーチンです。
どちらもギター界ではど定番の弦ですし、好みは分かれても信頼がおけるメーカーだと言えます。
他のメーカーも少しずつ試しながら、自分に合った弦を見つけてくださいね。
5.弦について知って欲しいこと
他にも、出来れば知っておいて欲しいのが「弦交換」についての知識です。
基本的な弦交換の方法と、弦の捨て方、再利用について、新しい弦にして欲しい下準備などいろいろなことをまとめたので、よければぜひご覧になってください。
弦を長持ちさせるには、
・弦の掃除と手洗いをちゃんとする
・優しいピッキングを覚える
そして弦を安く買うには、
・バラ弦と再利用弦を使う
・まとめ買いする
・通販を利用する
というのが今回の記事のポイントでした。
とくに弦を切らないようにするというのは一朝一夕ではなかなか難しいですが、少しずつ意識して練習してみてください。
錆びについての「エリクサー」は本当におすすめ出来る弦なので、昔コーティング弦が理由もなく嫌いだった田村としては「コーティング弦って使ったことないけどなんか嫌だ」と思っている方にもぜひ一度試してみてもらいたいです。
弦の張替えにかかる費用はバカになりませんが、なるべく弦代を節約しつつ、快適な状態でギターを練習できる環境を目指していきましょう。