ギターの弦を長持ちさせる方法と替え弦代の節約方法

替え弦のセットメンテナンス

ギターの練習を続けていると、少し大変なのが弦交換にかかる費用や手間です。

弦交換の回数を減らしたくても、弦が切れたりサビたりしたときにはどうしても新しい弦への交換が必要なもの。

今回はギターにとって良い状態で弦を長持ちさせつつ、替えの弦代を少しでも安く抑える方法について解説しました。

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1.弦を長持ちさせる方法

弦を長持ちさせるには弦をなるべく劣化させないこと、そしてなるべく切らないことが大切です。

また、保管するときに弦を緩めておくことで弦の寿命を伸ばせることがあります。

1-1 弦のサビを防ぐ

錆びた弦

弦を長く使う上で厄介なのが弦の錆(さび)。

一度弦がサビてしまうとザラザラとした質感で音が悪くなってしまうだけでなく、大切なフレットをヤスリのように削ってしまうので早めの弦交換が必要です。

①通常弦のサビを防ぐ

弦の拭き掃除

弦のサビは

①練習前に手を洗う
②練習後に弦の裏表を拭く

という2つの習慣でかなり防ぐことができます。

簡単に言えば、ギターを弾く前にサビの原因となる手の汚れ(塩分など)を洗い流し、演奏後の弦にもそうした汚れが残らないようにすることでサビを予防します。

他にも、夏場は練習中にクーラーをつけておくと効果的に弦のサビを防ぐことができます。

「普通の弦を全くサビなくする」というのは難しいのですが、サビの原因やサビによるギターへの影響などについては「ギターの弦の錆びによる影響とその防止対策」という記事で詳しく解説しています。

②コーティング弦の効果

コーティング弦のパッケージ

弦のサビや音質の劣化が起こりにくく、長持ちする弦として「コーティング弦」という弦があります。

コーティング弦はその名の通り表面に薄いコーティングをした弦のことで、これによって汚れの付着やサビを防いでくれるという優れもの。

実はコーティング弦のメーカーによって仕組みやサビにくさは違うのですが、有名なElixir(エリクサー)というブランドのコーティング弦は毎日練習していても3~6ヶ月は平気でサビずにきれいな音を出し続けてくれます。

筆者は長年エリクサーを愛用していますが本当にサビに強いため、弦のサビとメンテナンスで悩んでいる方には心からおすすめします。

ただしコーティング弦は値段が高いので、常用するのは少しピッキングの技術が落ち着いて、弦が切れにくくなってきてからが良いかもしれません。

エリクサーの弦については「エリクサー(Elixir)弦の特徴とポリ・ナノ・オプティウェブの違い」という記事で詳しく解説しています。

1-2 弦が切れるのを防ぐ

弦が切れるイメージ

ギターの弦は主に「金属疲労」と呼ばれるダメージが重なることで切れてしまいます。

このダメージは色々な原因で起こるのですが、例えば「自宅で練習していて1週間や1ヶ月で弦が切れてしまう」という場合、もしかすると右手のピッキング(弦の弾き方)が原因かもしれません。

とくにアップピッキングに引っかかりを感じる方や、ピックを持つ人差し指が痛くなりやすい方は、おそらくピッキングの改善で弦を切れにくくすることができます。

この場合、ピックを持つ手をなるべく脱力する、アップピッキングのピックの角度を「弦を撫でるような方向」に大げさに傾けてみるなどの練習がおすすめです。

ピッキングの基本については「ギターの正しいピッキングフォームと右手の使い方」という記事で解説しています。

また、弦が切れる原因がギターにありそうな場合はよければ「ギターの弦が切れる原因と対策のすべて」という記事を読んでみてください。

1-3 弦を緩める

弦を緩める様子

練習終わりにギターの弦を緩めておくと、保管している間に弦が伸びたり細くなって張力が落ちたりするのを防ぐことができます。

そのため、月に数回しかギターを弾かないようなときには練習後に弦を緩めておくのがおすすめです。

ただ、実は弦を緩めたときには弦の巻取り部分(ペグ周辺)が大きく曲がることで弦にダメージが入っています。

簡単に言えば、弦を緩めると「ヘッド周辺で弦が切れるリスク」が上がってしまうのです。

なので毎日演奏しているようなギターについては弦を緩めた方が弦が長持ちするとは言いづらく、少なくとも物理的には弦を緩めない方が弦が切れにくくなる可能性が高いです。

もしも弦を緩める場合は「気分によって緩めたり緩めなかったり」ではなく、毎回練習後すぐに弦を緩めることで弦へのダメージを最小限に抑えられます。

弦を緩めることやギターへの影響などについて詳しくは「ギター保管で弦を緩めるメリットとデメリット」という記事で解説しています。

2.弦代を安く抑える方法

弦の交換費用を安く抑えるためには「1本だけ切れてしまった弦」にうまく対処すること、そして弦の買い方を工夫することが大切です。

2-1 弦交換にバラ弦を使う

バラ弦のイメージ

バラ弦というのは1弦だけ、2弦だけ、のように1本ずつで売られている弦のこと。

バラ弦は6本セットの弦に比べると少し割高ですが、パッケージの弦ではなくバラ弦を使って「切れた弦だけ」を交換することで大きな節約になります。

例えばよく1弦だけが切れてしまう人の場合は、1弦のバラ弦を予備として何本か買っておくと安心です。

バラ弦はどこの楽器屋さんでも置いてくれているわけではないのですが、最近は通販サイトなどでも注文することができます。

※目的の弦が見つからない場合には「アコギ 1弦」や「ダダリオ 3st」など言葉を変えてみるのがおすすめです。

1本だけの弦交換が不安なときはよければ「弦が1本だけ切れた場合の弦交換ってどうするの?|節約術も」という記事をご覧ください。

2-2 購入方法の工夫

通販でのセット弦

買いたい弦が決まっている場合、ギターの弦は2~3セットでまとめて売られているものを購入すると安く手に入ります。

こうした弦は楽器屋さんでも通常品より安く売られていることが多く、通販ではメーカーによっては1セットの弦を探す方が大変なこともあるくらいです。

だんだん好きな弦が固まってきたら、まとめ買いをすることで20~30%くらいは弦代の節約になります。

2-3 きれいな弦の再利用

再利用のため丁寧に外した弦

ライブやレコーディングのためにまだ綺麗な弦を張り替えることがあれば、古い弦を切らずに丁寧に外して取っておくと再利用することが出来ます。

お恥ずかしい話ですが、筆者は大切な日に弦が切れてしまうことが不安でよくこうした弦交換をしていました。

とくに弦をよく切ってしまう内は、きれいな弦は貴重な替え弦です。

2-4 ブロンズ弦を使う

アコギの場合、「フォスファーブロンズ」という素材の弦よりも「ブロンズ」という素材の弦の方が1回り安く手に入ります。

もちろん音色や弦の張力なども変わるのですが、この2つは「どちらかが優れている」というものではなく完全に好みで選べるものなので、ギターの練習としてはどちらを使っても全く問題ありません。

見識を広げる意味でも、よければ一度試してみてください。

2つの弦の違いは「ブロンズ弦とフォスファーブロンズ弦の違いとは」という記事で紹介しているので詳しくはそちらへどうぞ。

2-5 安すぎる弦について

楽器屋さんや通販サイトではたまに信じられないほど安い弦を見かけることがあります。

昔一度こうした弦を試したことがあるのですが、その音は「1年張り続けてテンションの落ち切った弦」に似ていて、まるで倍音の少ないゴムでも弾いているような感覚でした。

もちろん弦の品質は値段だけで判断はできませんが、最低でも1セット500円くらいはするものを選んだ方が無難でしょう。


今回は筆者自身が昔とても苦労していた弦代の節約がテーマでした。

今でこそ演奏中に弦を切ってしまうことがなくなりコーティング弦を使っている筆者ですが、当時はすぐにサビて頻繁に切れる弦にずっと悩まされていました。

ギターの練習を頑張っている方にとって、この記事が少しでも負担の軽減につながっていましたら幸いです。

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