2018年5月16日

ダンボールの防音効果を5つの面から徹底検証

ダンボールが防音材料に使えたら安くていいのにな。

部屋の防音対策を考えている人ならきっと1度はこう考えたことがあると思います。

最近では実際に強化ダンボールを材料に作られたゲーム実況・歌練習用の防音室「だんぼっち」なども販売され、話題の防音材ですよね。
しかし、「普通のダンボール」を使うとなるとまた話も変わってきます。

今回はそんなダンボールの吸音性、遮音性、費用と労力(コスパ)などを通して、ダンボールが防音材として使える素材なのかについて見ていきましょう。

※防音について、吸音・遮音などの言葉が分からないという方は「1から分かる防音の基本と対策」という記事も合わせてどうぞ。


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1.だんぼっちとダンボール防音

だんぼっちとは普通より頑丈なダンボールを使って作られた市販の簡易防音室キットのこと。

遮音、吸音をすべてダンボールだけで解決しようという面白い商品です。

値段が10万円近くするということもあって田村はあまりおすすめしませんが、まずはダンボールの会社が本気で作った「ダンボール製防音室」を通して、ダンボールの防音効果を考えてみましょう。


1-1 だんぼっちの仕組みは?

だんぼっちホームページの写真を見ると、だんぼっちの壁は「ハニカム構造のダンボールを板状ダンボールで挟んだ構造」のようです。

つまり簡単に言えば、「空気層」を使った吸音の仕組みを利用しているみたいですね。
ただし、大型のものでも総重量は40kg弱と軽いため、遮音効果はそれほど高くないかもしれません。

外壁と内壁の板状ダンボールも薄いものに見えるので防音効果も少し心配です。


1-2 スペックと評判は?

公式ホームページによるとだんぼっちの防音効果は「90dB→60dB」つまり透過損失30dBだそうです。

※透過損失とは音を遮る能力のこと

「透過損失」という言葉は使われていないので詳細は不明ですが、ヤマハのアビテックス(100万円くらいする防音室)の透過損失が30〜40dBなので本当ならすごいことですよね。

ただ、インターネット上の口コミや評判を見ている限りでは防音性能はもう少し低く見ておいたほうが良いかもしれません。

「歌を歌うには音漏れしすぎて使えない」「歌声の透過損失を測ると15dBくらい」などの声もあるので、構造からしても恐らくそちらが実際の防音能力に近いと思います。


1-3 だんぼっちから考えるダンボール防音

だんぼっちはダンボール会社と発案者が5ヶ月以上かけて作った製品です。

つまり、素人が普通のダンボールを使って防音室を作ってもなかなかそれには及ばないということ。

だんぼっち自体がそれほどの防音性能ではないとすると、ダンボールはやはり防音素材には不向きなのかもしれませんね。

ただ、「ダンボールには吸音効果がある」というのもよく耳にする有名な話です。

そこでここからはダンボールの防音を吸音・遮音の2つに分けて考えてみましょう。


2.ダンボールの吸音効果

吸音効果とは音を吸収して音量を小さくする効果のこと。

ダンボールがよく防音材料として検討される理由は、この「吸音効果」と「ダンボールの構造」にあります。


2-1 ダンボールは吸音しやすい構造

吸音にはさまざまな方法がありますが、代表的な方法の中に「狭い隙間に音を通して、空気の摩擦で吸音する」というものがあります。

ダンボールの構造を思い出してみて欲しいんですが、ダンボールは縦に丸くて細長い隙間がたくさん空いていますよね。
実はあの隙間にも音を吸収する効果があるんです。

また、ダンボール自体も繊維質(紙)で出来ているので、それにも多少の吸音効果が見込めるでしょう。


2-2 ダンボールの吸音性能

吸音効果があるとは言っても、ダンボールの吸音性は決して高いとは言えません。

例えばダンボールを1枚壁に貼り付けても吸音の効果はほとんど実感できないと思います。

また壁際に厚さ5cmのスポンジを貼り付けるか、厚さ5cm分のダンボールを貼り付けるかでは残念ながらスポンジの方が平均的な吸音性は優れています。

つまり、あとは費用やコストと相談して吸音材を決める必要があるということ。
ダンボールのコストパフォーマンスについては後で一緒に考えてみましょう。


3.ダンボールの遮音効果

遮音効果とは音をはね返して外に出さないようにする効果のこと。

これはもう結論を言ってしまうと、少なくとも普通のダンボールに遮音効果はありません。

もちろん0ではないですが、話し声や楽器の音を遮るような遮音性は0と考えた方が良いでしょう。
というのも、ダンボールは遮音材としては軽すぎるから。

基本的に音は「重たいものによくはね返える」という性質があるので、軽い紙でできたダンボールは音を遮るには不向きな材料なんです。
もしもダンボールを「遮音材」として使おうとしているのであれば、ほかの材料を探すことをおすすめします。


だんぼっちとダンボールの遮音性

はじめに紹介した「だんぼっち」は歌声などが外に大きく漏れてしまうという話でしたが、これもダンボールの遮音性に限界があるからだと思います。

恐らく沢山の紙を圧縮して、厚くて重い一枚の板を作ればある程度の遮音はできるはずですが、その場合は初めからしっかりと重い遮音材を使う方が安くて簡単になってしまいますよね。

だんぼっちの壁には多少重いダンボールが使われているとすると、やはり紙での遮音には限界がありそうです。


4.ダンボール防音の方法とデメリット

さて、それではダンボールを防音材料(吸音材)として使う場合のいくつかの方法についてみてみましょう。


4-1 ダンボールをべたっと貼り付ける

まずは1番簡単な「壁にただダンボールを貼り付ける」という方法。

残念ながらこれだけだとほとんど吸音効果はありません。
体感できるレベルで吸音しようとすると最低でも5cmくらいの厚みがあると良いでしょう。


4-2 ダンボールを短冊状に切って貼り合わせる

次に、「細切りにしたダンボールの面を貼り合わせてパネルを作る」という方法。

つまり、ダンボールの穴状の隙間が空いた面を室内に向けることで吸音しようという作戦ですね。
※穴状の隙間の方向と直角に、ダンボールを5cmくらいずつ切って横の面を貼り合わせていく。

これだと確かにさっきよりもかなり吸音効果が高いと思いますが、この場合は気の遠くなるような手間がかかってしまいます。
実際にこの方法で防音室の吸音材を自作した方もいるようですが、悪いことは言わないのでやめておきましょう。


4-3 ダンボールで凹凸・ジグザグを作る

「ダンボールを使うのであれば」1番おすすめしたいのがこの方法。

つまり、ダンボールを波板のようにジグザグに折って、壁の表面に凹凸を作る作戦です。
この場合、ジグザグの隙間で音が吸音されやすいことと、音が拡散されやすいというメリットがあります。

ただし、やはりこれだけで実感できるほどの吸音効果を得ることはできないでしょう。
ダンボールを3cmくらい重ねた上にこの「波板ダンボール」を貼れば多少は吸音になるかもしれません。


4-4 ダンボールを使うデメリット

補足的ですが、ダンボールを吸音材として使うことには大きく2つのデメリットがあります。

それは、耐久力のなさと湿気への弱さ。
とくに梅雨時などは注意しないとダンボールが湿気をため込んでしまうかもしれません。

また紙の束というのは虫の隠れ家にもなりやすいので、もし使われる場合は管理に注意してくださいね。


5.ダンボール防音の費用とコスパ

最後にダンボールで防音しようとするとどれくらいの費用がかかるのか、効率はどうなのかなどについて紹介しておきますね。


5-1 無料のダンボールを使う場合

まずはスーパーなどで廃棄分のダンボールを無料で分けてもらう場合。

この場合はもちろんコストはかかりません。
なのでどうしてもお金をかけずに防音対策をしたい場合には有効な手段だと思います。

恐らく無料で手に入ってダンボールほど扱いやすい吸音材は少ないでしょう。

ただし、スーパーのダンボールは本来処分するはずのものなのでボロボロだったり、汚れていたり、湿っていたりする場合もあります。
夏場だと虫がついていたりもするそうなので、出来れば冬に調達する方が良いでしょう。

※最近は綺麗なダンボールを商品の持ち帰り用に配っているスーパーも見たことがあるので、綺麗なものはさらに減っているかもしれません。


5-2 有料のダンボールを使う場合

次に有料のダンボールを買って使う場合ですが、これは正直おすすめ出来ません。

というのも、ダンボールは他の吸音材と比べた時に「大きさに対して高い」からです。
ホームセンターで売られている大きなダンボール箱は100円から200円ほどしますし、例えダンボールの業者から大きな板ダンボールを買ったとしても、重ねて使おうとすればやはり中々のお値段です。

それならグラスウールなど安くて防音効果のある材料を使った方が圧倒的に安くて楽なんです。
例えばグラスウールは3000円代でも「(厚さ5cm、幅43cm、長さ288cm)×8枚入り」のようなものがホームセンターなどで売られています。

もしも5cm厚のダンボールで同じ面積をカバーしようとすると2倍では効かない値段になってしまうでしょう。

なのでダンボールを買って吸音しよう、防音対策に使おう、と思っていた方はぜひ他の防音素材も検討してみてくださいね。

ホームセンターでも手に入る身近な防音材については「ホームセンターで手に入る防音材とその特徴 |100均・通販情報も」という記事にまとめてあります。
また、田村が実際にグラスウールなどを使って防音室を自作した方法も「予算2万5千円で防音室を自作した方法」という記事にまとめてありますので、良ければ合わせてご覧ください。


POINT
・だんぼっちも音漏れはする
・ダンボールには吸音性がある
・ダンボールには遮音性がない
・ダンボールは湿気と虫に弱い
・ダンボールを買うのは絶対に損

今回はこの5点を押さえましょう。

一見安くてお得な防音材に見えるダンボールですが、実は買うと損してしまうことの方が多いので注意が必要です。

また、重ねたり束にして使う場合は湿気への対策も忘れないようにしてください。
ダンボールには確かに吸音効果がありますが、良かったら一度実際にホームセンターに行って、色々な吸音材を探しをしてみてくださいね。


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