2017年11月26日

コードの度数の意味と考え方

ギター・ピアノなど音楽のコードや理論を扱う上で欠かせない度数という言葉をご存知でしょうか。

度数は一度理解すると本当に色々なギタープレイや作曲、アドリブなどに役立つ便利な考え方ですが、その意味や使い方を誤解してしまう人が非常に多い言葉でもあります。

今回はそんな度数の意味と使い方について、基本からしっかりと解説します。

※この記事の内容が難しすぎると感じた時は「音楽理論の基本からコード・対位法・和声学まで |入門編」という記事から読むのがおすすめです。


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1.度数とは

度数とは音程の表し方の1つで、主に「コードの構成音の音程」を表すのに使われる数字と言葉のこと。

度数は一度分かってしまえば非常に便利なものですが、同時にコード理論で最もつまずきやすいポイントでもあります。

その理由は、言葉の使われ方が少しややこしいから。
まずは基本的な部分から少しずつ見ていきましょう。


1-1 度数の基本

度数はある音から他の音までの距離を表すために使われる言葉です。

例えば、「ド」という音を基準にした場合、下の写真のように度数を数えます。


度数はこのように基準にした音を「1度」として、順番に数字をつけていくのが基本です。
「ドの2度の音はレ」、「ドの3度の音はミ」というような使い方をします。


2.度数と音程のイメージ

度数について誤解しがちなポイントとして、度数は「音程」を表す方法の1つだということがあります。

度数、音程、全音・半音などの言葉は気付けば意味がごちゃごちゃになってしまう人が多く、「音楽理論は難しい」と感じてしまう原因にもなるので、ここで簡単に整理してみましょう。


2-1 音程

音程とは音の高低差のこと。
つまり、音同士の高さ(距離)がどれくらい離れているのかという意味です。

「全音と半音」も「度数」も、この音程を表す方法の1つなんですね。


2-2 全音・半音

全音半音は主に「2つの音」の音程を表すのに使われる言葉です。

例えば、ドとレは1音差、ミとファは半音差、ドとファは2音半差などのように使います。


全音半音の音程は「1音が1cm、半音が0.5cmの定規」で音同士の距離を測るようなイメージです。

全音半音について初めて聞く方はあまりピンとこないと思うので、良ければ「音程の意味とドレミ |全音・半音の使い方とは?」という記事も合わせてご覧ください。


2-3 度数

度数は「コードなど2音以上の音」を同時に考える場合によく使われます。

例えばC(ドミソ)というコードを考えるとき、全音半音で表現すると「ドに2音と3音半高い音を足したコード」という少し回りくどい表現をするしかありません。(ドからミが2音差、ドからソが3音半差)

しかし度数の場合、Cは「ドから1.3.5度のコード」という非常にシンプルでイメージしやすい言葉で表すことができます。


度数とは言わば音程を簡略化するために「ドレミに出席番号を振る」ようなものなんですね。


3.度数の数え方

それでは改めて度数の数え方について見ていきましょう。


度数は写真のように順番に数字を振っていくんでしたよね。
実はこの時注目して欲しい、押さえて欲しいポイントがいくつかあります。


3-1 ドからドは1度

まずはドから「同じ高さのド」までの音程が「1度」で、ドからレの音程は2度であること。

全音半音の考え方では、「ドからレは1音差」と数えるので少しややこしいですよね。
これは昔インドの「0」という数字が世界に広まっていなかったことに由来するものですが、間違えやすいので注意して下さい。

度数の付け方はビルや建物で1番下の階を「1階」と呼ぶイメージと似ています。
この場合はドが1階、レは2階に当たるというわけですね。


3-2 オクターブ上は8度

そして次にドから「オクターブ上のド」までの度数が8度であること。

オクターブ上のドは1度に戻らずそのまま数字を増やして8度と数えます。
これは、同じドの音でも「基準にしたドに対して1回り高い音ですよ」ということをしっかりと示すためです。


3-3 よく使う度数

度数は8度より上の音についても9度、10度、11度…と順に数えていきますが、9度より上の度数はたまにしか使わず、13度より上を使うことはほぼありません。

なので、初めは8度まで使えるようになって、必要に応じて度数を考えるようにしましょう。


3-4 度数をレから数えると?

ところで、ド以外の音を基準にして度数を考えたい時はどうすれば良いんでしょうか。

このような場合、その音を新たに「1度」として度数を考えます。
例えば、レを基準に度数を使いたい場合は下の写真のようにレを1度として度数を付けていくということ。


レから度数を数える時に「2度」(ドを基準にしてしまっている)から数えてしまう人もよくいるので注意して下さい。


4.コードの度数

次にコードの中での度数について考えてみましょう。

例えばCコードの構成音は「ドミソ」です。
これに先ほどの度数の数え方を当てはめると、ドミソはルート音の「ド」から1度、3度、5度であると言えるんでしたね。


実はこれはCに限った話ではなく、全ての3和音は「ルート音から1.3.5度で出来ている」と言えます。
「3和音が1音置きの構成音で出来ている」ことを考えれば、当然と言えば当然ですよね。

3和音(最も基本的なコード)の仕組みやルート音については「コードの仕組みとルート音の意味」で解説していますので、良ければ後で読んでみて下さい。


5.度数の矛盾?

さて、もしかすると先ほどまでの内容にどこか違和感や疑問を覚えている方もいるかもしれません。

実はその方の感覚は非常に正しいと言えます。

例えば、ドとレをそれぞれ基準にして度数を考える場合、本当に度数(音程)の意味は同じだと言えるんでしょうか?

また、全ての3和音が1.3.5度で出来ているとすれば、メジャーコードもマイナーコードもディミニッシュコードも全て同じ「1.3.5度」だということになってしまいます。

これだと相手に正確な意味が伝わらないので度数は音程として全くもって機能しないことになってしまいますよね。

ここからは独学で「度数が難しい、分からない」という方が急激に増える内容なので、しっかりと例を挙げながらゆっくり見ていきましょう。

※そもそもメジャーコード・マイナーコードって何だっけ?という方は「メジャーコードとマイナーコードの違いと仕組み」の内容をさらっと読んでおくともっと分かりやすいと思います。


5-1 ドとレと度数



まずは実際に
①ドを基準に考えた場合
②レを基準に考えた場合
の度数と基準音からの音程(全音半音)を1つの表にまとめてみましょう。

度数 音程差 音程差
1度 0 0
2度 1音 1音
3度 2音 ファ 1音半
4度 ファ 2音半 2音半
5度 3音半 3音半
6度 4音半 4音半
7度 5音半 5音
8度 6音 6音


こうしてみると同じ「3度」という言葉でも①(ドからミ)では2音を、②(レからファ)では1音半を指していますよね。

これでは場合によって音程が変わってしまいますし、「1.3.5度のコード」も肝心なメジャーとマイナーの判別が出来なくなってしまいます。

そこで必要になるのが「長・短」「増・減」「完全」という言葉です。


6.度数の長短・増減・完全

言葉の種類こそ多いものの、度数の長短や増減はいわゆる「♯や♭」のような意味だと思って下さい。

しかし楽譜の♯や♭とは少し使われ方が違うので、1つずつ確認していきましょう。


6-1 度数の長・短とは



この写真のように2度、3度、6度、7度の音には長と短が存在します。

ここで気をつけて欲しいのが「ただの3度」という度数は存在しないこと。
つまり2、3、6、7度は全て長・短どちらかしかないんです。

どういうことか説明します。
例えば♯や♭の記号を使う場合、「普通のドレミ」があってそれと比べて半音高いか低いかを表しますよね?


しかし、度数の長短は見ての通り間に音がないため、長3度ならメジャースケールの音(ミ)で、短3度ならメジャースケールから半音下がった音(ミ♭)だということ。

よく「長3度はミ♯」だと勘違いしてしまう人がいるので気をつけて下さい。
(他の度数も同様に「長」はメジャースケールの音程にあたります)


6-2 完全音程とは



先ほど長と短が付かなかった1度、4度、5度、8度の音を完全音程と呼びます。(完全5度、完全4度など)
完全音程には見ての通り長と短の区別がありません。

何故これらの度数に「完全」という名前が付いているかについては今はあまり深く考えないで良いので、「安定感のある度数なんだな」というイメージを持っておいて下さい。

(※長短の区別のある音は転回すると長短が逆になり、完全音程は転回しても元のままというところから完全の名が付きます)


6-3 度数の増減

増・減はお馴染みの♯・♭とほとんど同じ使い方をします。

例えば先ほどの完全5度に増減をつけて、増5度もしくは減5度とした場合このようになります。


これは分かりやすいですね。
少しややこしいのはこの増減は「長短に別れた音にも使われる」ということ。

例えばレ♯という音を表したい場合、レ♯は「長2度のレ」よりさらに半音高い音ですよね。
そしてこのレ♯を表す時には、長2度に増をつけて「増2度」と表します。
(短2度に増は使わないので増長2度としなくて良い)


※レ♯は短3度(ミ♭)と捉えることも出来ますが、コードの中で考える場合にはこの区別が大切な時もあるのです。

減2度(ド)に関しても、短2度より更に半音低い音として同じ考え方をします。
ちなみに、滅多に使われませんが増減よりさらに半音差の度数は重増・重減という文字で表します。



7.結局度数はどう使うの?

それではここまでの内容を整理しながら実際の度数の使い方を見てみましょう。


7-1  12音階と度数

短長、増減など色々と難しい話をしましたが、ドレミファソラシドとその♯♭を含む12音階は以下のように表せます。


度数では12音階を様々な捉え方で書けますが、皆さんが実際にコードを作る・学ぶときにはこの写真の度数を最もよく使うことになるでしょう。
これは今後コード理論に触れるうちに少しずつ覚えられるので、焦って覚えなくても大丈夫ですよ。


7-2 コード(3和音)と度数

記事途中で「全ての3和音は1.3.5度で出来ている」という話をしましたが、メジャーマイナーの区別などが問題でしたね。
しかし、今なら同じ「3度」でも長短の違いあることが分かるはずです。

つまり、
メジャーコードは「完全1度、長3度、完全5度」
マイナーコードは「完全1度、短3度、完全5度」
のコードとして表せるということ。

普段は省略されて、メジャーコードなら単なる「1、3、5度」、マイナーコードなら「1、短3、5度」などで表されることも多いです。

度数の考え方がしっかり分かるとその他のたくさんのコードもすぐに理解できますので、メジャーマイナー以外のコードについてもいずれ一緒に学んでいきましょう。


7-3 ギター指板と度数

音程についての記事でも少し紹介しましたが、ギターの指板と度数にはとても密接な関係があります。

ギターの指板を度数で捉えられるようになると、アドリブやコードフォーム作りも楽になってくるので、こちらも今後一緒に見て行きましょう。


POINT
・度数とは音程のこと
・ドレミファソラシドは1.2.3.4.5.6.7.8度
・度数の長短、増減、完全の違い
・ギターには度数が必須

今回は細々とした内容自体よりも大枠のこの4点を押さえて下さい。
分からなくなったらこのページに戻って来ればいいので、先に度数を使ったコード理論や指板移動に挑戦してみましょう。
音楽理論こそ「習うより慣れろ」です。


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