2017年2月10日

コーティング弦の仕組みと寿命 |錆びない弦の比較とおすすめ

コーティング弦を使って節約したいけど、本当に長持ちする?
一体どんな仕組みなの?
音が良く無いって本当?

ギターをやっていると「錆びない弦」として耳にするコーティング弦ですが、初めて買う場合は色々な不安がつきものですよね。
コーティング弦は通常の弦に比べて値段が高いので、気になるけど手軽に試せないという方も多いと思います。

また、錆びを防ぐためにコーティング弦を選びたいのに、普通の弦と寿命が一緒では元も子もありませんよね。

今回は、コーティング弦とは実際にどんな弦で、どんな音が鳴って、どんな種類があるのか、さらにはメーカーの比較とおすすめまで、その特徴について詳しく見ていきましょう。


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1.コーティング弦とは

コーティング弦とは、表面をコーティングされた長寿命弦のこと。
広い意味では錆びにくい素材を用いた「コーティング無しの弦」もこう呼ばれることがあります。

有名なものはエリクサー、マーチン、ダダリオ、アーニーボールなどで、様々なメーカーの商品があります。

コーティング弦が長寿命・長持ちとされる一番の理由は「錆びと汚れに強い」から。
また、値段は通常の弦の1.5倍から2倍程度でギター弦の場合は1200円から1500円ほどでしょう。

しかし、値段が高いわりに、世間では

・結局錆びるし高いだけ
・音がこもる、モコモコする

などといった噂が飛びかっていて、中々手が出せないという人も多いですよね。

今回は噂ではなく、コーティング弦の実際の仕組みや使用感はどうなのかについて、田村のレビューを交えつつ詳しくご紹介します。

※田村はずっと通常弦派でしたが、ここ数年はコーティング弦に落ち着いています。


2.コーティング弦は錆びない?

正直に言うと、コーティング弦は「錆びにくい」ですが「錆びます」。

各メーカー毎にその耐久性はかなり違いますが、長持ちするものでも夏場に2ヶ月持たせるのは難しいです。
(毎日数時間は弾いた場合)

しかし、手汗が多い、弾き込めば1日でも弦が錆び始める、という方にはやはり救世主的な弦だと言えます。

田村自身も夏場はすぐに弦が錆びてしまう体質なので、コーティング弦には日頃どれほど助けられているか分かりません。


3.コーティング弦の仕組みって?

コーティング弦が長持ちする・錆びにくい仕組みは、「汚れと空気」をシャットアウトすることにあります。


3-1 弦を錆びにくくする仕組み

通常、弦は手についた油分や塩分、空気中の水分や酸素との接触によって、張り替えた瞬間からゆるやかに錆びが進んでいきます。

そして一度錆びてしまった弦は音、弾き心地、チューニング共に劣化してしまうため、その都度張り替えが必要になりますよね。

コーティング弦は弦を樹脂などのコーティングで覆い、汚れや空気と弦が触れ合うことを防いでいるので、かなりの錆を抑制することが出来ます。


3-2 コーティング弦が錆びる理由

さて、一見錆びには無敵のコーティング弦が錆びてしまう理由は大きく分けて2つあります。

まずは、ピックングや演奏の中で「コーティングに傷が付く」こと。
コーティングに隙間ができると、やはりその部分は錆び始めてしまいます。

そして、最大の理由は「1弦2弦にはコーティングがされていない」こと。

もちろん、1弦2弦についてもメーカー毎に素材の変更など様々なサビ対策がされていますが、やはりコーティングと比べると錆びは早いです。

なので「錆びに困って」コーティング弦の導入を考えている方は、特にこの1弦2弦の仕様はよく確認してから買うようにしましょう。

田村のように「コーティング弦なら全く錆びない」と思って弦を買ってしまうと、1ヶ月くらい経ってから「あれ、話が違うぞ…?」ということになってしまいます。


4.コーティング弦の寿命はどれくらい?

では実際にコーティング弦の寿命はどれくらいなのでしょうか。

これは、メーカーや季節によってかなり変わって来ますが、目安は

・夏場…1ヶ月弱〜1ヶ月半
・冬場…2ヶ月以上
・秋春…2ヶ月弱

くらいです。

毎日弾かない場合はもう少し長持ちしますが、たとえ錆びなくても弦のテンションは確実に弱っていくので、やはり2ヶ月くらいが寿命だと言えそうです。

なので、通常弦より圧倒的にコスパが良いかと聞かれると、正直あまり変わりません。

ただし、張り替える回数が少なくて良いこと、倍音が長持ちすること、ギターへの負担が少ないことを考えると、総合的に見ておすすめできます。


5.コーティング弦の音は良くない?

最近はこんな噂も減ったように思いますが、「コーティング弦の音は良くない、嫌いだ」という方もやはり一定数います。

その原因は、主に音のこもり感とフィンガーノイズにあります。


5-1 コーティング弦は音がこもる?

初めてコーティング弦を使う場合、張り替え直後はまず間違いなく「音がこもっている」ように感じると思います。

ただしこもった印象を受ける原因の大部分は「コイル感・金属感が少ない」という理由から来るもので、実際の倍音自体は高音まで広く豊かです。

なので張り替えたての弦の、あの活き活きとした音をイメージしてギターを鳴らすと初めはがっかりしてしまうかもしれません。
しかし1週間も経てば通常弦との音の違いはあまり無くなっていきます。

弦が錆びやすい方の場合、2週間もすればコーティング弦の方が「いい音」になるはずです。


5-2 コーティング弦とフィンガーノイズ

コーティング弦はギター特有のフィンガーノイズがかなり小さくなります。
(コーティングの薄いものだと0ではない)

好みは分かれますが、フィンガーノイズを表現としてわざと出す曲は多くないので、田村はこの点は全く気にしていません。
フィンガーノイズにこだわりがある方の場合、選べるコーティング弦は限定されてしまうでしょう。



少なくとも1ヶ月近く同じ弦を使用するのなら、コーティング弦の方が「豊かな音」が出せると思いますよ。


6.コーティング弦の比較・一覧

いよいよ、実際に色々なメーカーのコーティング弦を比較してみましょう。

コーティング弦は今や非常にたくさんのメーカーが有りますが、その中でも定番なものについてご紹介します。

※値段はいずれもサウンドハウスと近くの楽器屋さんを参照しました。


Elixir(エリクサー)アコギ弦

コーティング弦と言えばこれというほど有名なブランド。

音、錆び耐性、寿命共に非常に優秀なコーティング弦です。
1弦、2弦のサビ耐性も良く、田村はエレキ・アコギ共にエリクサーを使っています。


アコギ用

・1弦2弦…アンチラスト加工
・3〜6弦…樹脂コーティング
・値段…1500〜1800円

ブロンズ弦はコーティングの厚みによってポリウェブとナノウェブの2種類があり、フォスファーブロンズ弦はナノウェブのみです。



エレキ用

・1〜3弦…アンチラスト加工
・4〜6弦…樹脂コーティング
・値段…1300円程

エレキギター用のエリクサーにはポリウェブ、ナノウェブに加えて、超極薄コーティングの「オプティウェブ」シリーズがあります。




エリクサーについての詳細は「エリクサー(Elixir)弦の特徴とポリ・ナノ・オプティウェブの違い」へどうぞ。


Martin-LifeSpan(マーチンライフスパン)

あまり知名度は高くないものの、ユニークな製法のコーティング弦。

・1弦2弦…真鍮メッキ
・3〜6弦…芯線のメッキ+樹脂浸透
・値段…1300〜1400円

独自の製法により「非常に明るい音の出る」珍しいコーティング弦です。
良くも悪くも通常弦ぽさを大切にしており、錆び耐性は通常よりやや強い程度。

マーチンライフスパンはアコギ用のみです。


詳細は「マーチンライフスパン(Martin Lifespan)の特徴と耐久性」という記事であつかっています。


Ernie Ball Coated(アーニーボール-コーテッド)

エレキギターの通常弦では圧倒的なシェアを誇るアーニーボールのコーティング弦。

・1〜3弦…通常弦
・4〜6弦…巻線へのエナメルコーティング
・値段…1000円程

1弦〜3弦は「切れにくくするため」の特殊加工がしてあるものの、錆びについての耐性は残念ながら通常弦とほぼ変わりません。

Ever Last(エバーラスト)というアコギ用コーティング弦も有ります。(値段は+200〜300円)



D'Addario EXP(ダダリオ-EXP)

こちらもエレキギター・アコギ共に通常弦では定番のメーカー。

・1〜3弦…通常弦
・4〜6弦…巻線へのコーティング
・値段…1300円程度

アーニーボールと同じく1弦〜3弦の錆びにくさは通常弦と同程度。
アコギ用は200円〜300円割高です。

・D’Addario EXPを探す
※サウンドハウスでの扱いはありませんでした。


7.おすすめのコーティング弦

数あるコーティング弦の中でも、エレキ、アコギ問わずに圧倒的におすすめなのはElixir(エリクサー)のコーティング弦です。

理由はシンプルに最も「錆びにくい」上に「音が良い」から。

巻弦の錆びにくさも間違いなくトップクラスですが、特にプレーン弦(高音弦)の錆び耐性は他のコーティング弦より飛び抜けて優秀です。

そしてとにかく音が良い。
音に関しては好みも大きいですが、先ほど紹介したコーティング弦の中では総合的に見れば「1番良い音」だと言えます。

値段は少し高めですが、結果的に1番コスパの良いコーティング弦はエリクサーだと思うので、田村からはこの弦をおすすめしておきます。


8.弦を少しでも長持ちさせるには?

さて、長持ちが売りのコーティング弦をさらに少しでも長く使うために、知っておくと便利なおすすめの情報を紹介しておきますね。

通常弦であっても、弦の錆びる速さが大きく変わる対策などをいくつか紹介しています。

せっかくのコーティング弦も切れてしまっては元も子もないですよね。弦がすぐ切れてしまうという方はこの記事をどうぞ。

サビ以外にも弦の交換時期を判断する方法が知りたいという方はこちらへ。

その他、ブロンズ弦とフォスファーブロンズ弦の違いなど、弦に関する記事はこの記事下の「他の記事を探す」から探していただけます。


まとめ

コーティング弦についてはなんとなくイメージ出来たでしょうか?

また田村がエリクサーを超えるような面白いおすすめの弦に出会うことがあれば、順次情報を追加していきたいと思います。

さて、コーティング弦はどうしても使う前から嫌ってしまう人が多いんですが、使ってみると、とても良いものです。

田村自信、昔は「使ったこともないのに」筋金入りのコーティング弦嫌いだったからこそ、皆さんには早めに試していただきたいんです。

特に、錆びに困っていて、右手のピッキング練習中の人には心からエリクサーをおすすめします。
(倍音が長持ちするため)

コーティング弦なんか嫌いだ!と言う方も、この記事を読んでくださったことを1つの縁として、一度でも良いので試してみてくださいね。


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