2017年1月26日

アコギの消音で、練習の音を小さくする方法

「部屋の壁は薄いし、音もよく聞こえてしまう。いっそのことアコギの音を小さく出来れば良いのに…」

マンションやアパートでアコギを練習する時って、ご近所さんに迷惑がかかってしまわないか心配ですよね。
これまでもマンション・アパートでのアコギ生活のためにいくつかの記事を扱いましたが、今回は「アコギの消音」についてです。

今記事を書いている田村自身、アコギの消音にはとても苦労しました。

今回はどんな消音対策でどの程度音を小さく出来るのか、さらにはその時注意してほしい練習上のデメリットについてもご紹介します。


※アコギの外での練習場所や、部屋の防音については
うるさいアコギの練習で、騒音問題と近所迷惑を避ける方法
へどうぞ。


スポンサーリンク


1.音を小さくする方法

さて、まずは実際にどうすればアコギを消音(=音を小さく)出来るのかを考えてみましょう。
アコギの音を消音する方法は大きく分けると、

・音の出口を塞ぐ
・弦をミュートする
・音の帯域を変える

(おまけ)
・ボディの共鳴を防ぐ
・もはや音を出さないで練習する

の5種類。

実際のところ弦のミュートに関してはかなり限定的な練習でしか使えませんが、この5つはどれもある程度の消音効果があると言えます。

それでは早速、もっと具体的なアコギの消音方法を見ていきましょう。


2.サウンドホールにカバーをつける

まず1番オーソドックスな消音法として、アコギのボディに空いたサウンドホールをふさいでしまうという方法があります。


2-1 サウンドホールは音の出口

基本的にアコギから出る音のほとんどは、ボディで共鳴してサウンドホール(アコギ中央の穴)から出てくるようになっています。
そこで、アコギの音の出口、つまりはサウンドホールに「フタ」をしてしまうことで、出てくる音を小さくしようという作戦です。


2-2 サウンドホールには専用のカバーがある

純粋にアコギだけを弾く人の場合はあまり見たことがないかもしれませんが、実は大抵の楽器屋さんにはこの「サウンドホール専用のカバー」が売られています。

と言っても、本来は消音用のものでは無いんですけどね。

このカバーは元々はエレアコのハウリング防止目的で作られた製品なんです。
なので、音を通さないようにしっかりした厚手のゴムで出来ていて、ボディの中の音を閉じ込める効果があります。

※エレアコ…ここではボディ内部にマイクを取り付けたタイプのアコギ。
※ハウリング…マイクが余分な音まで拾って出てしまうノイズ。

つまり簡単に言ってしまえば、元はアコギのボディ内に音が入るのを防ぐためのカバーなので、その逆に音が出て行くのも防げるということです。


2-3 サウンドホールを塞ぐメリットとデメリット

このカバーの素晴らしいところは、サウンドホールに取り付けるだけなので、アコギの弦の揺れを一切邪魔しないこと。

つまり、弾き心地や音の雰囲気はそのままに、アコギの音を小さく出来ると言う優れものです。

しかし1つだけ残念なことに、このカバーは低音成分に対しては少ししか消音効果がありません。
高音・中音ではそれなりにしっかり効果があるだけに、非常に惜しいです。

それでも、低音はそもそも本格的な防音においても遮るのが難しいことと、カバーをつけるだけという手軽さを考えれば、これはかなり優秀な対策と言えるでしょう。

アコギの消音としては非常にコスパも性能も良いので、ぜひ最寄りの楽器屋さんで手に入れてください。
※ホコリよけと保湿効果も有能です。

→サウンドハウスのおすすめカバー
PLANET WAVES という人気の高いサウンドホールカバーの案内ページへ飛びます。
田村が持っているのもこれと同じもので、安くて効果も高く、実用的だと言えるおすすめ品です。

→Amazonでサウンドホールカバーを探す
Amazonは便利ですが、楽器関連の同じ商品で比べるとサウンドハウスよりかなり割高です。
ただ、マイナー商品でサウンドハウスより安いサウンドホールカバーもあったので、良ければご覧ください。


3.弱音器(消音器)を取り付ける

実は楽器屋さんではアコギの消音のために開発された弱音器(よわねき)というものも売られているのですが、これをアコギに取り付けるのも1つの手です。
※弱音器は「ギターミュート」「消音器」と呼ばれることもあります


3-1 弱音器の仕組み

弱音器(消音器)とは、アコギのブリッジ付近に布のようなものを巻いて弦をミュートする仕組みの商品のこと。

弱音器を弦に取り付けることで弦の振動が直接吸収されるので、アコギの音が小さく出来る仕組みです。


3-2 弱音器のメリットとデメリット

弱音器は確かに音をかなり小さく出来るんですが、仕組み上どうしてもアコギ本来の倍音成分や豊かな響きを失ってしまうため、ピッキングの練習にはあまり向いていません。

と言うよりも、これをつけるともはや別の楽器のような音がすると思ってください。

正直なところ右手のピッキングやフィンガリングを練習中の方は、正確な手と音の感覚を掴むためにもなるべく使わない方が良いでしょう。
とは言え、左手のコードチェンジや運指を練習するのであれば心強い味方になってくれるはずです。

音のイメージはと言うと、ブリッジミュート(演奏技法)ほどボンボンはしませんが、弦に軽くハンカチなどを当てながら弾いているような印象です。

消音能力は高いですが、この器具を使っての練習ばかりだと右手の上達に確実に支障が出るので、購入される方も時折器具なしの練習も取り入れて下さいね。

弱音器(消音器)の定番商品、ギターミュートのページに飛びます。

田村が検索した時点ではAmazonでもサウンドハウスと同じ商品・値段でした。


4.薄く柔らかいサイレントピックを使う

1番安くて簡単に出来る対策として、今アコギに使っているピックをサイレントピック(もしくは薄いもの)に変えてみるというのもおすすめの消音方法です。


4-1 薄いピックは音が小さい?

実はこれは厳密には消音(=音を小さく)とは異なるんですが、ピックを紙製または極薄いタイプのものに変えることでアコギの「音の帯域」をお隣さんに聞こえにくい方へシフトさせることが出来ます。

帯域という言葉が聞きなれない方は、要するに「音の高さ」だと思って下さい。
さらにサイレントピックの場合は音量自体も小さくなります。


4-2 薄いピックが響きにくい理由

例えば、今、あなたはプラスチック製で厚さ1.0mmのピックを使っていたとします。
それを同じプラスチック製の0.6mmのピック、もしくはハガキや厚紙を三角形に切ったものに変更すると、アコギの音はどうなると思いますか?

なんとなく、ペケペケと軽い音が鳴りそうですよね。

答えはその想像の通り、音が「高く、軽く」なります。
そして防音的に考えると音というのは「高いほど跳ね返りやすく、低いほど壁を通り抜けてしまう」という性質を持っています。

つまり、アコギ自体の音量は小さくならなくても、音が壁に跳ね返りやすくなるので結果的に「お隣さんに聞こえにくい音」で練習出来るということなんですね。


4-3 薄いピックのメリットとデメリット

もちろんピックの厚さや手触りが違う以上、ライブ用のリハーサルなどには向きませんし、これだけでの消音効果もあまり大きくはありません。

しかし、アコギ本来の鳴りや響きを殺さないため、ピッキングの際の右手と耳の感覚を養うにはもってこいです。

ちなみに柔らかくて薄いピックとしてはウルテム(素材の名前)で出来た、0.4〜0.6mmほどのピックかサイレントピックがオススメです。

サイレントピックの案内ページへ飛びます。
サウンドハウスでの扱いは現在無いようなのでAmazonのみです。


5.弦のゲージを軽くする

アコギの弦を今使っているものより軽いゲージ(細い弦)にするというのも1つの消音対策です。

もう勘の良い方ならピンときているかもしれませんが、これも先ほどの薄いピックと同様にアコギの音を「高く」してくれる効果があります。


5-1 弦のゲージを変えるメリットとデメリット

弦のゲージ変更の場合、アコギの響きや、ピックの手触りなどが「元のアコギ」と非常に近い状態で練習ができるので、かなりオススメな対策です。

ただしこれもピックの時と同じで、弦交換だけでの消音効果は薄いと言えます。

それでも、heavyゲージを使うよりも、Lightゲージ。LightゲージよりもExtra Lightゲージの方が、アコギの音が小さく・軽くなるので、お隣さんには優しい弦です。

消音と同時に弦に対する音の知識も増えて一石二鳥なので、ぜひ一度試してみてくださいね。


6.アコギにタオルを詰め込む

これは大胆にもアコギのボディいっぱいにタオルを詰め込んで、音を響かなくしてしまおうというもの。

このアコギタオル作戦は昔から有名ですし、田村も初めて知った時はとても期待していたんですが、はっきり言います。音はほとんど小さくなりません。

「まあ、確かにすこーしだけ、音が小さくなった?」

くらいの効果なので、ご近所さんへの騒音対策としてはほとんど無意味だと言えるでしょう。


6-1 アコギタオルがおすすめ出来ない理由

実は防音的な観点から見ると、タオルとサウンドホールのフタの組み合わせには少し消音効果が期待できます。

しかし恐らく効果があるレベルでタオルを詰め込むのはアコギにとってあまり良くないと言えます。
例えばアコギにタオルをたくさん詰め込めば、タオルが湿気を溜め込む、タオルの糸がボディ内のパーツに引っかかってしまうなどのデメリットも考えられます。

そもそもタオルの詰め込みや、取り出しにかなり手間がかかることを考えると、これはやらないほうが無難な対策と言えそうです。


7.サイレントギターの導入(おまけ)

これは元々の「アコギの音を小さくする」とはズレてしまうので、おまけです。

ご存知の方も多いと思うのですが、実はマンションや深夜の練習用には「サイレントギター」と呼ばれる、ボディ部分が無いアコギ(のようなギター)が存在するんです。


サイレントギターは一般的なエレキギターと同じ仕組みで、スピーカーやヘッドホンから音を出すように作られています。

今持っているアコギと別でギターの購入が必要ですが、音をよく響かせるためのボディ部分が無いため、本当に音は小さいです。
それに使う弦やサイズ感もアコギ仕様なので、もしも余裕があれば、練習用として取り入れてみてもいいでしょう。

しかし、本物の「アコギ」の音に惚れ込んだ人にとっては、もしかすると退屈な楽器になってしまうかもしれません。
最近のヤマハのサイレントギターなどはヘッドフォンを通せば良い音がしますけどね。

個人的にですが、田村はサイレントギターを買うくらいなら迷わず同じ値段のエレキギターを買って、夜はそっちで遊びます。

→サウンドハウスのサイレントギター一覧
サイレントギターの代表商品一覧ページへ飛びます。
本物のアコギと比べると木材による個体差は少ないでしょう。

確実にサウンドハウスの方が安くて良いものが手に入るので、今回はあまりおすすめしません。


8.音を出さない練習に専念する

これも元の趣旨とズレてしまうんですが、この「無音で出来る練習」というのは左手の運指を練習中の人には非常におすすめの練習です。

音を出さないとはつまりギターを使わなくても出来る練習なんですが、実はクロマチック練習以上に基本的で重要になってくるものです。
運指に困っている人はもちろん、ある程度指が動く人にもぜひ挑戦してほしい練習なので、後ほどお時間があれば下の記事も合わせてご覧ください。

ギターが弾けない時にこそやって欲しい音を出さない基礎練習


9.アコギを外で練習する

いっそ消音は何もしないで、外でアコギを練習するというのも1つの手段です。

やはり周りを気にせず思いっきり弦を鳴らすことに変えられる練習方法は無いので、気候がいい時にはぜひアコギを持ってぜひ外に出かけてみて下さい。
場所によっては普段とは全く違った音の響き方をするので楽しいですし、河川敷なども開放的でおすすめですよ。



10.部屋の防音を考えてみる

消音のように手軽にというわけにはいきませんが、部屋自体の防音対策を考えてみるというのも良いかもしれません。

なるべくミュートなどは使わずに、家で自然な音で練習がしたいというのはアコギを弾く人なら誰もが望むことですよね。
もうアコギを持っていてサイレントギターの購入を考えている方は、その分の予算で部屋に小型防音室を設置してみるのも良いと思いますよ。

アコギや楽器を家で練習するための防音対策


まとめ

さて、アコギの消音方法を色々と見てきましたが、結局のところそれぞれに短所と長所がありました。
では、どの方法がどんな人にオススメなのかを簡単にまとめてみましょう。


左手の運指練習がしたい人
・弱音器でミュート
・サイレントギターの導入
・無音練習

右手や音の練習がしたい人
・サウンドホールに蓋をする
・薄いピックにする
・細い弦にする


左手に関しては、音を鳴らさない練習もたくさんありますが、ピッキングや出音の練習になるとどうしてもある程度しっかりとした音を出す必要が出てきてしまいます。
そして、最終的には絶対にこの「右手の練習」と向き合う時がくると思います。

なので、

「薄めのピックと細めの弦でギターの音を高音側に寄せて、サウンドホールのフタでなるべく閉じ込める。」

これが田村が練習内容を問わずに誰にでもおすすめできる最大限の消音です。

できる限り消音しつつ練習させてもらって、常識的な時間で練習を終えるようにすること。
元も子もないような当たり前の結論ですが、きっとこれがアコギ上達への1番の近道です。


スポンサーリンク
広告と関連記事(by google)