マンションやアパート住まいで、アコギを練習したいけど消音や防音はめんどくさい。
ライブ会場や出かけ先の近くで練習場所が欲しい。
そんな時に知っていると便利なのが、臨時でアコギの練習場所として使える自宅以外の施設や環境です。
田村も、ライブのときは会場最寄りの練習場所を探してウロウロすることがよくありました。
また、いざアコギを持って出掛けようにも初めて使う場所の場合は
・本当にアコギを練習しても良い場所なのか
・屋内施設ならどれくらいお金がかかるのか
などが分からずに困ってしまいます。
このあたりの情報も出来れば事前に知っておきたいですよね。
そこで今回はアコギの練習が出来る場所をピックアップして、それぞれがどんな環境なのかを詳しく見ていきましょう。
1.カラオケ
アコギに限らず音楽活動をしている人にとっての強い味方、練習場所として定番なのがカラオケです。
室内の練習場所としては値段も安く、アコギや歌程度であれば周りへの迷惑も気にしないで良いので安心ですよね。
1-1 カラオケは安くてサービスが良い
地域や時間帯、年齢によってまちまちですが、カラオケはフリータイム(6時間ほど)でも1000円〜1500円程度だと思います。
カラオケの場合は空調はもちろん、ドリンクバーが有ったり、各部屋に充電用コンセントが有ったりと、サービスも充実している場合が多いです。
安くて、気軽で、30分から利用出来て、サービスも良い。
アコギのちょっとした練習場所としてカラオケはかなりおすすめです。
1-2 カラオケでアコギを練習する時に気をつけること
ただ一点だけ注意して欲しいのは、カラオケは周囲への気遣いをしなくて良いかわりに、周りからの音も結構入って来るということ。
つまり、レコーディングや静かなアコギの練習には不向きなので、それだけ頭に留めておいて下さいね。
静かな指弾きのアコギ曲を練習したい場合、カラオケだとうるさくて集中できないなんていうこともあるかもしれません。
※トランペット、バイオリン、エレキギターなどカラオケルームの規格外の音量の楽器の場合は周囲の迷惑となることもあるので、注意された場合は素直にやめておきましょう。
2.公共施設
アコギの練習場所探しとしてかなり見落とされがちなのがこの公共施設です。
地域の公共施設やホールは、実は録音ルーム、音楽室、スタジオ、多目的室などの部屋を一般に貸し出していることも多く、この場合、料金設定も良心的です。
2-1 公共施設はとにかく安い
アコギの練習場所で1番のネックになるのはやはり値段ですよね。
特に日常的な練習場所を探している場合にはカラオケでもバカにならない出費になってしまいます。
そこで注目して欲しいのが皆さんの地元にある公共施設です。
例えば、田村の地元の福祉会館では9時〜12時の3時間で1人500円なんていう破格の「音楽室」もありました。
2-2 公共施設の音楽室のレベル
こればかりは施設によりますが、もし地元の公共施設に音楽利用のために作られた部屋があるならこれを使わない手はありません。
皆さんの地域の施設が
・レコーディングルーム(ごく稀)
・音楽スタジオ
・リハーサルルーム(ただの防音室)
・音楽室(ただの防音室)
・多目的室(防音性不明)
などの内どんな部屋を持っているか分かりませんが、いずれにしても1人でアコギ練習に使うにはもったいないくらいの部屋だと思います。
検討していなかった方は是非一度、地域の公共施設を調べてみてくださいね。
2-3 予約の時の注意点
部屋の名前が音楽室、スタジオなど「音楽で利用する前提の部屋」であれば、アコギを弾く上で特に何も気にする必要はありません。
ただし、部屋の名前が音楽室ではなく「多目的室」や「会議室」などになっている場合は、問い合わせの際に「アコギの練習で使いたいのですが」ということを忘れずに伝えるようにしましょう。
3.音楽スタジオ
初めての方とっては、なんとなく敷居が高く感じられるかもしれませんが、アコギの練習場所として音楽スタジオを使えるのなら、それに越したことはないです。
3-1 音楽スタジオは環境が良い
ほとんどの音楽スタジオは部屋がしっかり防音されているので、周りからの音が入って来ない静かな環境で集中してアコギの練習やレコーディングに取り組めます。
また、他の施設とは違って室内の音響にも配慮した部屋になっていることが多いので、細かなアコギの音も聴き取りやすいと思います。
その分値段はカラオケや公共施設より高く、1時間あたりの値段は500〜2000円ほど。
値段にかなり幅がありますが、これはそのスタジオが「個人練習」という練習枠を持っているかが分からないからなんです。
3-2 音楽スタジオの個人練習の仕組み
簡単にいうと、個人練習とは少人数の人向けの割引サービスのことです。
例えばスタジオの使用人数が1〜3人の場合、
「人数が少ないから使用する設備も少ないし割引するよ。1人なら500円、2人なら1000円ね。」
というのが個人練習の制度です。
アコギの練習の場合は1人〜3人までで収まることが多いと思うので、なんとか「個人練習」の制度があるスタジオを利用したいですね。
3-3 個人練習がない場合は?
一方で個人練習の制度がない場合、
「1人で使っても10人で使っても値段は2000円一律だよ。」
という形になるので、1人でアコギの練習に使うにはかなり割高になってしまいます。
公式サイトなどに情報が無いスタジオの場合は、一度電話して個人練習が出来るか聞いてみましょう。
3-4 一度は使ってみるのがおすすめ
音楽スタジオは、カラオケのようなサービスは無くとも、「音」と「練習・レコーディング」の環境としては他より圧倒的に優れています。
もちろん、アコギの音量なんて全く気にする必要は有りません。
そして、おそらくどこのスタジオでも、音楽スタジオは皆さんが思っているイメージよりも気さくで入りやすい場所です。
受付やフロアも快適なスタジオさんが多いので、経験として一度お試しで使ってみるのも良いと思いますよ。
※小さな個人運営のスタジオの場合、まれに周囲の練習室からの音(バンドの練習音)が入ってくるスタジオもあるため、スタジオ内が静かかどうかを事前に問い合わせることをおすすめします。
4.公園や河川敷
屋外でアコギを弾くのは恥ずかしい…という方もいるかもしれませんが、冬場を除けば意外と開放的で良いものですよ。
例えば、近所に大きめの公園や河川敷などがある場合は練習にもってこいです。
4-1 公園や河川敷で練習するときの注意点
ただし、外でアコギを練習するにあたっていくつか注意点があります。
・近くに住宅がある場合は避ける
・誰かに注意されたらやめておく
1つ目は当然ですが、住宅地にある小さな公園などでの練習は控えましょう。
問題は2つ目、これは少し難しい問題です。
4-2 外でアコギを弾いても良いの?
本来、ほとんどの地域では河川敷や大きな公園での楽器演奏に問題はありません。
しかし、誰もが自由に色んなことを出来る場所だからからこそ譲り合いも必要になって来ます。
例えば、大きな公園や河川敷でアコギを弾いていたからといって、わざわざ文句を言いに来る人は実際のところ少ないと思います。
むしろ皆さんは「頑張って練習してるんだなあ」という暖かい目で見てくれます。
しかし、もしも「うるさい」と言われて、話してもダメだと思ったら引いておいた方が無難です。
と言うのも、中には苦情を言って来た人を無視した結果、怪我を負わされたなんていうケースも有るからです。
(この場合はかなり言いがかりっぽかったですし、法律でも完全に向こうが悪いです。)
一応、音を出している側の者として、公の場でアコギを練習する時は「音を出させてもらっている」という心構えでいましょう。
また広い公園であれば少し場所をずらすだけで無駄なトラブルを避けられます。
※田村もよく大きな河川敷でアコギを弾きますが、近くに腰掛けて聴いてくれる人こそいても、注意されたことはありません。
5.海辺
個人的に、海辺のアコギ演奏って最高に素敵だと思うんですよ。
波の音がかすかに聞こえる日暮れに、浜辺でギターを弾き語る…。
絶対に一度はやってみたいです。
しかし残念なことに、実は海辺はアコギを練習する場所にあまり向いていないんです。
5-1 海辺のアコギ練習は塩が良くない
素晴らしい雰囲気とは裏腹に、毎日のアコギの練習場所として海辺はあまり使わない方が良いでしょう。
というのも、海から近い場所の空気には、かなり多くの塩分が含まれているからです。
塩って気体じゃないんだから大丈夫でしょ?と思われるかもしれませんね。
確かに、塩自体は普通の環境ではまず気体になりませんが、ここで問題なのは「水しぶき」です。
5-2 塩が空気に含まれる理由
お風呂場をイメージして下さい。
冬場などの寒い時期だと白い湯気が上がっていますよね。
実はあれも「気体」ではなく、ふわふわ漂う「水滴」なんです。
海辺では、その湯気くらい細かく飛び散った「塩水」や、風で舞い上がる塩の結晶が空気中にかなり含まれていると思って下さい。
塩というのはアコギのボディにとっても、弦にとってもかなり良くないので、海辺で毎日のように練習するのは、大切なギターのためにもやめておきましょう。
6.路上・ストリート
アコギで屋外と言えば、人通りの多い路上でストリートライブをしている姿を思い浮かべる方も多いんじゃないでしょうか。
誰かに自分の演奏を聴いてもらいたい時には、ストリートは1番手軽な手段ですよね。
しかし大きな駅前や繁華街で、自分勝手にアコギを取り出して弾き語りを始めてしまうと、それは「迷惑行為」として警察の方に注意されることになるのでやめておきましょう。
6-1 路上のアコギは騒音の一種
例えば、道路でずっと場所をとって大きな声で騒いでいる人たちがいて、その人たちを迷惑だなあと感じることってありますよね。
もちろん田村は個人的にストリート音楽とそれが同じだとは思いませんが、音楽なんて聞きたくない人にとってはやはりどちらも同じ「迷惑な連中」になってしまいます。
6-2 ストリートのマナー
なので、どうしてもストリートで演奏がしたい場合は、せめて周囲の人だけにでも許可を取ってからやるのがマナーです。
少なくとも付近のお店の方に「ここでストリートライブをさせて頂いてもいいでしょうか」という確認をして、OKが出てからさせてもらう方が良いでしょう。
特にスピーカー、ミニアンプなどを使う場合は絶対です。
大きなビルの場合は、たまにビル自体がストリートライブを公認(ビルの許可は必要)している場合もあるので、ストリートについてはとにかくよく調べてから行うようにして下さい。
7.冬場の練習
寒さなんかに負けない。根性でアコギを練習してやる。
というのを引き止めるのは、正直応援したい気持ちもあるので気が引けます。
しかし、皆さん自身の体のために、できればやめておいて下さい。
冬は室内でも手先が冷えて、かじかんだ状態になりがちですよね。
この状態でギターを演奏すると、繊細な演奏が出来ないばかりか、最悪の場合、腱鞘炎(けんしょうえん)を引き起こしてしまうんです。
腱鞘炎については「ギター腱鞘炎の症状と原因から治し方と予防方法まで」で詳しく扱っているので、冬にも外でアコギを弾くという方はぜひ一読しておいて下さい。
また手先が冷えると力加減がかなりしづらくなるので、普段弦を切ったりしない人でも弦を切ってしまったりします。
ストリートライブなどの時は仕方ないですが、外でアコギを弾く時はとにかく暖かくして、なるべく手先を冷やしてしまわないように気をつけて下さい。
8.マンションでアコギを練習する方法は?
この記事を読んでくださっている方の中には「出来ることなら家でアコギが弾きたい」という方もたくさんいますよね。
そこで知識として知っておいて欲しいのが「消音」と「防音」についてです。
消音の方法は一長一短で、防音は少し手間がかかってしまいますが、ご興味があれば下の記事も合わせてどうぞ。
マンション、アパートでの騒音対策の総まとめ
・うるさいアコギの練習で、騒音問題と近所迷惑を避ける方法。
アコギの消音方法について
・アコギの消音で、練習の音を小さくする方法
アコギと部屋自体の防音性を考える
・アコギや楽器を家で練習するための防音対策
まとめ
さて、いくつかアコギの練習場所をご紹介しましたが、家の近所でアコギの練習ができそうな場所は見つかりましたか?
もう一度簡単に今回ご紹介した場所をまとめておくと、
室内の練習場所
・カラオケ
・公共施設
・音楽スタジオ
屋外の練習場所
・公園
・河川敷
その他アコギ演奏について
・ストリートライブ
・海辺
・冬の屋外演奏
という感じでした。
今まで弾いたことがない場所でアコギを弾くというのは少し勇気がいりますが、新鮮な気分でアコギに触れるので、やってみると意外と楽しいものです。
また外でのアコギ練習というのは室内とは全く異なる音の響き方、広がり方をするので、防音などの固い話は抜きにしても、ぜひ一度は経験してみて下さいね。