2017年1月1日

ギターの正しいピッキングフォームと右手の使い方

ギターでピッキングをする時、右手の使い方の「理想」と呼ばれるようなフォームをご存知でしょうか?

おそらく、多くの人は何となく聞いたことがあると思います。

しかし、「なぜ」その右手の振り方やピッキングフォームが「正しい」のかまで意識して練習したことがありますか?

実は、右手の使い方の中にはきちんと意味を知らずに練習すると、かえってギターの出音を悪化させてしまったり、上達を遅らせてしまう要素が混ざっています。

今回は世間一般で正しいとされているピッキングフォームの意味と役割について、細かい視点から再検証していきましょう。


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1.ピッキングの理想形

まず、ピッキングにおいて「理想」と言われているフォームを確認すると

・ピックは力を入れずに持つ
・ピックが弦に対して平行になるように持つ
・ピックは弦と直角に動かす
・手首でスナップを効かせて弾く
・腕も使って弾く
・6本の弦を均一に鳴らす

の6つの要素に分けられます。

どうでしょう、皆さんのイメージといくつ一致しましたか?

全部知ってた!という方も、あまり知らなかった!という方も、この右手の使い方を練習する時は、いきなり完成形を目指すだけでは無く、ぜひ一つ一つの要素を分けたピッキング練習も取り入れてみて下さい。

と言うのも、基本的にどれをとっても恐ろしく難しいから。

おそらく、意味をあまり考えずにこれらの要素をマスターすることは不可能に近いと思います。

しかし逆にいうと、一つ一つの意味さえ分かれば、自分なりに練習の方針を立てることもできます。

それでは早速、それぞれ役割と注意点を確認してみましょう。


2.ピックは力を入れずに持つ

これは実は意外と意識していない人が多いです。

しかし、右手の脱力はピッキングを練習する上で後々非常に大切になってきます。

一般に、「力を抜く」と聞くとバッキングがヘニョっとした音になってしまいそうな気がしますが、実際には力を抜いたほうが「太くしっかりした音」がでやすいです。

また、ピッキングの練習中、ピックが弦に変な当たり方をした時に、ピックを落としてしまったり、ピックがズレてしまった事はありませんか?

実はそれは多くの人がピックに力を込めてしまう原因でもあるんですが、ピックを強くつまんだところで本質的には改善できないので、この脱力は常に意識しておいて下さい。

確かに、力を込めるとパッと聞いた印象の音は強くなりますし、ピックもズレにくくなります。

しかしそれは同時に高音だけ尖って細くきつい音になったり、弦が切れやすくなったり、さらには指が痛くなってしまったりするというリスクも伴う危うい状態。

逆に脱力したピッキングができれば、耳にツンと来なくて良く通る音、いわゆる「音抜けのいい音」を出すことができます。

この「脱力」は右手のピッキングを練習する際の最も重要な基礎だと思ってください。


3.ピックを弦に対して平行に持つ

もしかするとこれは、他の要素に比べて音の変化が分かりにくいかもしれません。

表現が難しいのですが、ピックの面を弦に平行に当てると「整った、まとまった」印象の音が出せます。

コードバッキングで言うと一音一音の粒立ちや、いい意味での音の分離感に関係してきます。

特に、歪みの少ない音が売りのおしゃれなジャズギターフレーズや、カッティングなどの場合、これが出来ているのと出来ていないのとでは音に雲泥の差があります。
(歪みとはエレキギター演奏での少し潰れたような音のこと)

もちろん、最終的にはジャンルを問わず是非マスターして欲しい大切な技術。

ピックの角度を平行に保てるようになると、表現の幅と聴き手の受け取る音の印象が違ってきます。

さらにはこの練習を通して、ピックを落とす、ピックがズレると言ったミスを減らしたり、腕の振りを綺麗にしたりする効果も期待できます。

ギターを練習する時には、頭の片隅に置いておきましょう。

※ギターの表現において、実はピックの角度はかなり重要で、角度を変える事で繊細な表現に繋がってきます。なので平行にこだわりすぎる必要もないのですが、「平行も」出来た方が表現の幅が広がるので、苦手な方はこれを機にぜひトライして見て下さい。


4.ピックを弦と直角に動かす

これは知っている人も多く、意識してる方も多いのではないでしょうか?

しかし、実は「出来ている」と思い込みがちで、意外と出来ていない「落とし穴的要素」でもあります。

特に、手首のスナップなども意識的に練習している人の場合、高音弦寄りになるに連れて、知らないうちにピックの軌道が斜めに逸れていってしまいがちです。

しかし、ピックの軌道は自分で確認するのが難しいもの。

なので、積極的に鏡や動画を使って、どんな軌道でピックが動いているかを毎回確認するようにすると圧倒的に上達が早いでしょう。

ピックの軌道をきちんと弦と直角にできると、音の「圧」が全く違って来ます。

バンドなどでの演奏の場合、ギターに音圧がないとバンド全体がなんとなく寂しくなってしまうものですよね。

逆に、ギターにしっかりとした音圧があると、バンドが観客に与えるインパクトがかなり違って来ます。

アコギでもエレキでも、音に迫力と説得力を持たせたい場合は、脱力と並んで大切な要素と言えるでしょう。

さらに追加すると、この要素は後で登場する「全ての弦を均一に鳴らす」練習にも必要不可欠なものです。

最初のうちは中々腕が言うことを聞きませんが、少しずつ正しいピッキングフォームに近づけていきましょう。


5.手首でスナップを効かせて弾く

基本的に今まで見て来た中で1番誤解が混ざりやすいのがこちら。

手首のスナップはピッキングスピードを上げるためのものですが、通常のバッキングの時に「手首を使わなきゃ」と思って、思いっきり手首を振ろうとする方が非常に多いです。

もちろん、ここぞと言う時に最大限手首のスナップを効かせた音を出すと言うのはとてもカッコいいですよね。

しかし、普段のピッキングというのは思っているより「手首を振る」という感覚はなくても大丈夫なんです。

むしろ大切なのは手首を「柔軟に使う」という事。

多くの人は、手首の振りを意識しすぎるあまり手首に力が入ってしまって、腕の疲れや、出音とリズムのばらつきを起こしてしまいます。

最初はスナップまで行かなくても、手首を柔らかくさえ使えれば、バッキングのリズムや出音の安定感が格段に良くなります。

慣れるまではスナップはキメの時の「必殺技」的なポジションで捉えておきましょう。

※スナップは、ピッキングフォームの練習の仕上げのように捉えて、まずは手首を「柔らかく使う」ことだけに専念してください。慣れてきたら1小節の中でスナップの強弱を付けたり、全てスナップを効かせてみたりして遊んでみてくださいね。


6.腕も使って弾く

ピッキング練習で、ギター初心者の方が陥りやすいのが、手首だけでギターを弾いてしまうというもの。

手首だけでコードバッキングをしようとした場合、非常にリズムが安定しにくく、手が疲れやすくなってしまいます。

それに加えて、手首だけのピッキングはライブの際の音と見た目が圧倒的にしょぼくなりがちです。

基本的に、体を大きく使うほどリズムやコントロールの安定性が増して、見た目も様になると思って下さい。

ただし、ここでいう「大きく」とは、腕を無茶苦茶大振りにするといった意味とは少し違い、「体全体でギターを弾く」イメージなので注意が必要です。

つまり、手首、肘、肩、肩甲骨、背筋などの全身の力を少しずつ使ってピッキングするということ。

「ピッキングは指や手先ではなく腕でコントロールするもの。」と言っても過言ではないくらいこの腕の振りは大切です。

練習の際はぜひ、ギターに「がっしり右腕を固定」してしまっていないか確認してみて下さい。


7. 6本の弦を均一に鳴らす

これも中々有名な話ですが、弦を均一に鳴らせると、バシッとした気持ちいい印象になるとともに、「音作り」が非常に楽になります。

ギターをアンプに繋いだ際に、思うように音を明るくしたり太くしたり出来ない時は、多くの場合この均一なピッキングが出来ていないんです。

例えば、低音弦ばかり強く音が出るピッキング癖のある人の場合、いくらイコライザーで音域調整をしても低音が強く出てしまう傾向にあります。

逆にピッキングさえ直れば、思い通りの音を作り込むのははるかに楽です。

ギターの音色と音作りはほとんど右手でして、アンプやイコライザーはそれにほんの少し飾り付けをする程度のものだと思ってください。
(イコライザーで無理に音を変えることも可能ですが、やはりどこか今ひとつ表現力に欠ける音になってしまいます)

これは手首のスナップと並んである意味ラスボス的な立ち位置のピッキング技術です。

まず、ピックや手首の脱力、ピックの軌道のコントロールがしっかり出来ていないと、ピッキングの中で音の均一さをコントロールするのは不可能だと思ってください。

まずは他の要素を練習しつつ、少しずつ均一なピッキングにも慣れていきましょう。

ただしピッキング練習のときには、毎回一回は思い出してみて下さいね。


8.ピッキングの練習方法は?

さて、それぞれのピッキングの練習方法についてですが、もしこの記事の内容から「自分流で練習方法があみ出せそうだ」という方は、まずそれを試してみてください。
もしかすると人から聞いた練習よりも自分に合った良い練習が出来るかもしれません。

そして、この下には参考までに田村がおすすめしたい練習方法についての記事をいくつかご紹介しておきます。
興味がある内容があればぜひ合わせて読んでみてくださいね。

※1番上の記事は自分に合った練習を見つけるためのまとめ記事です。



まとめ

正しいピッキングフォームと右手の使い方、何となくイメージしていただけましたか?

途中でも何度か書きましたが、実際のピッキングではこれらのどの要素も固定することなく、表現に合わせて自在に変えることが求められます。

なので、絶対に忘れないで欲しいのは、「正しい理想のピッキング」=「良い音・良い演奏」ではないと言うこと。

というのも、田村の価値観で言えば、どれだけ綺麗にピッキングが出来ていても、「その音」しか出せないのであれば所詮つまらない演奏になってしまうからです。

世の中、多少ピッキングが雑でも魅力ある演奏をするギタリストは沢山います。

ただし、この理想形と呼ばれる形が出来るようになると 、表現力の幅が本当に広く豊かになるのも事実なので、ぜひ頑張って下さい。

ピッキングはフォームの正しさではなく、表現を増やすことが1番大切です。

バッキング・ピッキングの追求は本当に難しいですが、同時にギターの1番面白い部分の1つでもありますよね。

なので今どんなにピッキングに悩んでいても、ギターが好きで、諦めずに頑張ればいつか自分に合ったピッキング表現を見つけられるはず。

ありふれた言葉ですが、千里の道も一歩から。
田村もまだまだ修行中なので、お互い頑張りましょう。


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