2016年12月27日

ギターの弦の錆びによる影響とその防止対策


「手汗の体質のせいか結構すぐに弦が錆びてきちゃうんだけど、これって自分だけ…?」

いいえ、実は結構よくある悩みなんです。
と言うより、かく言う田村も手汗と弦の錆びには随分と悩まされた1人です。

そもそも、弦の錆びは何が原因で起こるんでしょうか。
そして、何故弦を錆びたまま放置してはいけないんでしょうか。

錆びたら弦を張り替えれば済む話なんですが、弦が長く使えればそれだけお金も手間も節約出来ますよね。

今回は錆びの原因・影響・防止方法を通して、弦を長持ちさせる方法を考えてみましょう。


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1.そもそも弦が錆びる原因は?

錆びといえば湿気や水分が真っ先に浮かびますよね。
田村も初めは乾燥剤を使った錆び予防なんかにも挑戦していました。

でも、基本的に弦の錆びのほとんどは部屋の湿度とはあまり関係がないんです。

むしろ過度な乾燥はギターのボディに亀裂が入る原因にもなるので、「ギターの湿度調整」の面ではエアコンの直風などによる乾き過ぎの方に注意して下さい。


1-1 手の汚れと手汗によって錆びる

錆びのほとんどは手汗と手の汚れによって起こる。
特にその中でも塩分と油分によって引き起こされていると考えて下さい。

手汗の中の塩分は空気中から水を集める上に、錆びを促す効果まであるのでまさに「諸悪の根源」だと言えます。
汗自体を抑えることは難しいので、後ほど対策を考えましょう。


1-2 保管環境によって錆びる

ヘッド部分などの「普段触らない」弦がすぐに錆びてしまう場合は、保管環境によって錆びが起こっています。

通常、手で触らない部分の弦というのは少し多湿なだけではあまり錆びたりしません。

なのでこの場合、海からの潮風、台所の油滴、お風呂からの湯気などに晒されていないか一度確認してみてください。

海辺の場合は対策が難しいですが、なるべくギターをこまめにケースにしまうようにしましょう。


2.弦の錆びが及ぼす悪影響

出来ることなら錆びていない弦を使った方が良い。

そんなことは誰だって分かります。

しかし、錆びを放置すると具体的に何が良くないのか知っておかないと、ついつい錆びたままで放置してしまいますよね。

田村も昔は切れるまで弦を変えない主義でした。
だからこそ皆さんには少しでも早く錆びの悪影響を知ってほしいと思います。


2-1 フレットの磨耗

よく弾く部分の弦というのは本当に錆びやすいです。
しかしこれを放置した場合、文字通り「フレットを削る」ことになります。

錆びついた弦は表面がザラザラになっていますよね。
あれが押弦やバッキングの度にフレットに擦れることで、ヤスリのようにフレットを磨耗させてしまうんです。

フレットがある程度以上すり減ってしまった場合、コードストロークのたびに「ビヨーン」という弦の「びびった音」(フレットと弦がぶつかって出るノイズ)が発生するようになってしまいます。

田村の場合、気づいた頃にはアコギの1弦2弦がビビる直前までフレットが擦り減っていました。

フレットは元々消耗品ですし、「打ち直し・すり合わせ」と言ってギター工房などでの修理も可能な箇所です。
しかしフレット修理や交換には1万円〜の予算は見ておいたほうが良いので、なるべく錆びの無い弦を使って長く大切にしましょう。


2-2 オクターブチューニングの狂い

チューニングと錆びは一見無縁そうですが、弦の錆びは実は「オクターブチューニング」にとても大きな影響を与えるんです。

簡単にいうと、オクターブチューニングが狂うとギターが音痴になってしまいます。


※オクターブチューニングとは
ギターというのは本来、開放弦とその弦の12フレットが同じ音になるように作られています。(開放弦がEなら、12フレットは1つ高いE、つまり1オクターブ差)
元々はサドルの位置や削り方を調整して、「1オクターブ越しのE」をきちっと揃えるのが「オクターブチューニング」の意味。


難しい話は省略しますが、ギターの音程というのは弦の「重さ」と「張力」のバランスによって決まっています。
しかし弦が錆びてしまうと、錆びた部分の弦は重さや太さが変わってしまいますよね。

その結果、弦にかかる張力のバランスが崩れてしまって、音程が狂うんです。

つまり錆びた弦の場合、開放弦をどれだけきちっとチューニングしてもハイポジションのフレットは音程がずれてきます。

田村の場合、アコギ1弦の12fが錆びのせいで1/4音ほど下がってしまい、当時しばらく原因に悩まされました。
(弦交換したら綺麗に治りました。)

きちんとした音程感を養うというのはギタリストにとってとても大切なことなので、このオクターブチューニングにはフレットの磨耗以上に気をつけておいたほうが良いでしょう。


2-3 音量・音質の変化

錆びによる音色の変化の大部分は錆びの「ザラザラ」によって起こります。

このザラザラはスライドやチョーキングを行う際にも問題ですが、ピッキングとフィンガリングに与える影響は本当に大問題です。

錆びてザラザラの弦からは倍音が痩せて尖った音が出やすく、自分なりの「良い音」を見失う原因にもなります。
さらに付け加えると、この「音が痩せる」ことによって聴く人の耳には「音が小さくなった」ように聞こえてしまいます。

バンドでよく言う所の、「音抜けの悪い音」です。


ピック弾き、指弾きで「右手の練習」すなわち出音の改善を練習中の人は弦を弾く部分(サウンドホール上、ピックアップ上など)が錆びたら絶対に放置しないでください。

ピックや指を通して手に伝わってくる弦の感触と、実際出る音の関係を掴むというのはただでさえ大変難しいものです。
ギシギシした感触が手に伝わるレベルで錆びた弦を使うということは、右手の練習の質を大きく劣化させてしまう結果になります。


錆びた状態の音や手触りも知っておくことは良いことですが、普段はなるべくきちんとした状態のギターで練習しましょう。


3.弦の錆びを防ぐ方法

弦は消耗品なので、いつかは必ず錆びますし切れます。

しかしそれを少しでも遅らせて、「弦を長持ち」させるためにはどうすれば良いでしょうか。

日常的に出来る錆び対策から、楽器屋さんの錆び防止用品までを見ていきます。


3-1 演奏前に手を洗う

恐ろしくシンプルですが、かなり効果があります。

演奏前に石鹸で綺麗に手を洗うことで、弦に錆びの元を塗りたくらなくてすむんです。

「食べ物も触ってないし俺の手は綺麗だ!」という方も、騙されたと思ってしばらく試して見て下さい。

たとえポテトチップスを食べた後でなくても、指先には意外と油も塩も付いているものです。
例えばガラス、鏡、スマホなんかに指先を押し付けると跡が残りますよね?

弦は細いから見えませんが、あれが弦にもくっついて錆びてしまうと考えてください。

洗うときは石鹸でさっと洗った後少し長めに水で洗い流して、しっかりタオルで拭いて乾かすこと。
ポイントは「少し長めに洗い流す」ことです。


3-2 演奏後、きちんとクロスで拭く

ついつい忘れてしまう演奏後の一拭きも錆びを防ぐ大きな手段です。
クロス(ギター掃除用の布)で弦を挟んで拭き、演奏でついた汚れをしっかり落とします。

田村の場合は、特に何もつけずに乾いたクロスで一本一本ささっと拭いています。
たかが6本、5分もかかりませんよ。

ちなみに、この時出来れば、ギターのボディ掃除用のクロスとは別にクロスを1枚用意するようにしましょう。
クロス自体がボディの汚れや油分をたくさん含んだ状態だと、弦を綺麗にしているのか汚してるのかわからない状態になってしまいますからね。

※明らかに弦の錆びが付いたクロスでボディを拭く場合も、塗装を傷める恐れがあるので気を付けましょう。


3-3 ギターをケースにしまう

1日の練習や演奏が終わったら、ギターをきちんとケースにしまっておきましょう。

ギターケース」は温度や湿度の急な変化、自然風やエアコンなど、様々な要因からギターと弦を守ってくれるので、少し面倒でもギタースタンドではなくケースに入れるようにして下さい。


3-4 とにかく手を洗う

もちろん大切なことなので2回言ったわけではありません。
これは主に手汗をよくかいてしまう人向けです。

私、田村もそうなんですが、手汗が多い人の場合演奏前にしっかり手を洗っても、新たな手汗で錆びてきてしまうことがあります。

このような場合、手汗をかくたびに洗うことは流石に出来ませんが、30分に一回、1時間に一回など自分で時間を決めてさっと水で手を洗ってみましょう。

ギターは集中力も大事。一旦休憩をかねてギターを置き、水に触ってリフレッシュして来るのも悪くないです。
手汗体質の改善は難しいですが、これもかなり効果ありますよ。


3-5 フィンガーイーズは逆効果?

フィンガーイーズという商品名で知られている指板潤滑剤を使って錆びを防ぐ方法があります。

本来は弦の滑りと演奏性を良くするためのものですが、これを弦に塗ってコーティングのようにすることで錆びを防ごうという昔から有名な方法です。

しかし田村の場合どうも効果がない、と言うより逆効果に感じるのであまりお勧めはできません。

錆びに悩む中、真っ先に試したのがこのコーティング作戦なんですが、使用中、普段錆びない部分も錆びてきたことからあまり良くないようでした。

もしかすると潤滑剤に埃や塵なんかがくっついたり、塩分が溶け込んだりして錆びやすくなるのかもしれません。

フィンガーイーズは使いすぎると良くなかった上に、使用頻度を下げるとあまり目に見えた効果は得られませんでした。
それでも有名な方法なので、フィンガーイーズをすでに持ってる方はぜひ一度お試しください。


※試す際は弦交換後すぐに一度全体に馴染ませて、後は週一回くらいで良いと思います。
それくらいの使い方であれば、あまり目立って副作用も出ないでしょう。
毎練習後にスプレーしたり、頻繁にかけすぎると返って弦の滑りが悪くなったり、錆が出やすくなりますので注意して下さい。
また、弦に直接ではなくクロスにスプレーして伸ばしましょう。

※これに関しては世間では「効果あり」の声が多いですし、商品説明にも錆への効果について明記されているので、使用経験のある方や、試した方はぜひ使用感を教えて下さい。場合によっては田村ももう一度検証して記事にします。



3-6 コーティング弦を使う

少々の対策では効果がない、考えるのが面倒だという方にはコーティング弦をおすすめします。

コーティング弦は、フィンガーイーズと違って頑丈な膜で弦をしっかり包むため汚れと錆びに非常に強いです。

ただし、その音色は少し独特なため好みが分かれてしまいます。

コーティング弦とは一体どんな弦かについての詳細はこちらの記事からどうぞ。

また、田村がおすすめしている弦エリクサーについてはこちらからどうぞ。

このエリクサーは錆びに悩んでいる人には、本当に心からおすすめします。
ギター弦の錆びに対する世界観が変わりますよ。



4.弦の錆びの応急対策

これは本当にその場しのぎですが、意外と土壇場で役立つのでご紹介しておきます。


4-1 手を洗えない時

実は外出先などの場合、なかなかギターを弾く前に手を洗えないことって多いんです。
また自分の部屋にいても手を洗いに行くのが億劫だ、面倒だというときもありますよね。

そんな時に持っておくととても便利なのが「ウェットティッシュ」です。

多くのウェットティッシュには油を綺麗にしてくれる成分が含まれていますし、濡れているので手についた塩分もかなり落とすことができます。

田村の場合、昔はコンビニなどでもらったウェットティッシュをカバンのポケットにためて使っていたんですが、最近ついに大きなケースに入った100枚入りのウェットティッシュを買ってしまいました。
ギター以外の面でも本当に便利なので、皆さんも良かったらカバンや部屋の片隅に忍ばせておいてくださいね。



4-2 ライブ直前に弦が錆びていた時

大切なライブや、リハーサルの際、思ったより弦が錆びてしまっていたり、ザラザラして弾きにくいと非常に困りますよね。
特に夏場は手汗なども多く、想像より錆びやすいものです。

そんな時は、「フィンガーイーズ」もしくは「スムースフィンガー」などの指板潤滑剤を弦に塗布してやって下さい。

流石にオクターブチューニングはどうにもなりませんが、軽度の錆びであればピッキングの出音や手触り、音抜けは驚くほど復活します。

フィンガーイーズは楽器屋さんでも大抵500円ほどで売っているはずなので、いざという時のために一本持っておいて損はないです。



5.弦の錆び取り・錆び落とし剤

実は、一度錆びてしまった弦の錆びや汚れを浮かせて弦を復活させることの出来る「錆び取り剤」という便利なものもあります。

最も有名なのは「String Life(ストリングライフ)」という錆び落としコーティング剤ですね。

値段は2000円を超えるものの、今ある弦の錆びを浮かせて落とすと同時にギター弦の表面を錆びにくくコーティングしてくれる優れものです。
一度錆びによって狂ったチューニングは戻りませんが、軽度の錆びなら綺麗に落とせてずっと気持ちのいい状態でギターが弾けるようになるので、ぜひ探してみてくださいね。

大きな楽器屋さんなら、ギターポリッシュなどの片隅でこっそり売られていることが多いです。
また、驚くべきことにネットでは半額〜でも売られているようです。



まとめ

今は冬なので田村も安心してギターを弾けますが、夏にはまた手汗、錆びとの死闘が待っています。
手先の代謝が良すぎると言うのも考えものですね。

さて、今回の弦と錆びについての内容をおさらいすると、

【錆びの影響】
・フレットの磨耗
・チューニングの狂い
・音の劣化

【錆びの防ぎ方】
・手洗いうがい
・掃除と片付け
・コーティング弦

という内容でした。

なんだか常識というか、幼稚園の子の生活目標みたいになっちゃいましたね。
しかし手洗いついでにうがいもすれば、サビと同時に風邪も防げて一石二鳥です。
ギタリストたるもの、体調管理だって大切ですからね。

ギターにとっても本人にとっても、やって損はない習慣ばかりなのでぜひお試しください。


また、日常的な対策だけでなくコーティング弦を導入してみるのも1つの手です。
特にエリクサーに関しては、音色や耐久性共に自信を持っておすすめできるのでぜひ手にとって見て下さい。

エリクサーは、昔の田村と同じく錆びに悩んでいる人に本当に使って欲しい弦です。
きっと、今まで試さなかったことを後悔するくらいのクオリティを見せてくれますよ。

今回は様々な項目をご紹介しましたが、結局どれだけの対策をしても悲しいことに弦は錆びていきます。
なので出来るだけ長持ちさせた上で、ある程度以上錆びた弦は潔く交換してあげて下さい。

弦交換の方法については「ギター弦交換の方法 |きれいに張り替えるコツと注意点とは」という記事もぜひ読んで見てくださいね。


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